第9話 街のショーウインドウ

下には 今 評判の素敵な洋服店やお菓子屋さんがあって

・・・通り道なので ついつい店のショーウインドウを覗きこむ


まずはお菓子の店


ショーウインドウには

花の形をした砂糖菓子の数々に シュークリーム 

白いケーキの上には赤い果実が沢山のっている 

チーズケーキにも 同じく赤い果実

チョコケーキには 白いホイップクリーム


横には ラズベリーの香りの紅茶の袋

アールグレーの紅茶

アラビアのコーヒーにココア

ラベンダーのハーブ茶

カミツレのハーブ茶も


喫茶店もかねてるお菓子屋さんなので

飾りに一緒に置いてある


「食べたいよお・・・」とアシャシャ


「今度ね・・うふふ」とナジュナジュ 


「しゅしゅキャンデイは フリーウエアなんで 魔法複製は自由なんだけど・・


こういった特別のお菓子や服や品物は お店の人の権利を守る為に

著作権というガード魔法がかけられている・・から

複製出来ないだよね・・他にも特別製のガード魔法も付加されてるし・・・」とリア


「ねえ!こっち・・見て綺麗だよ・・」


それから 今度は隣にある洋服屋さんのショーウインドウを覗く三人(三匹)


「きれいでしゅ・・」と頬を赤くして嬉しそうなアシャシャ


「ここ・・子供用の服も置いてあるんだね あ!髪飾りや帽子に靴までセットである!

ショーウインドウの服 どれも素敵だね」


覗き込みこちらも頬を赤くするナジュナジュ


「ああ!見てるだけで ワクワクするよ」


「あれなんか オレンジ色のドレスと靴のセット ・・英国18世紀風のドレス 

低い腰位置で白いサッシュのリボンを結んだ分

白い襟に首元の赤い花が可愛い 頭は複数重ねたリボン風のヘアバンドか・・


それから 横の淡いイエローグリーンのワンピースも可愛い スカート部分は薄い生地を重ねて

下がイエローにグラデーションがかかってる

それに上の部分の金の刺繍 色にあって素敵な感じだ 頭は花の形をした小さな帽子


靴はトップに花飾りのついた 淡いイエローか・・

アシャシャに似合いそう すごく いい!」リア


「うん・・本当に素敵・・でも ちょっとお値段が高いから・・。」残念そうなナジュナジュ


「あ!ああ!」今度は興奮してアシャシャが叫ぶ


「あ! あれ 飾られてる2つの服 にいたんに似合う!!!」指を指すアシャシャ


「ああ!そ・・・」と思わず 興奮して 言いかけて・・しかし ハッ!と 

気がつき口ごもる リア


確かに服も素晴らしく綺麗で美しく 

ナジュナジュの美しさを引き立てることであろう


しかし


服はドレス・・・女物


華やかで 沢山の赤いビーズや赤い宝石に刺繍して縫いつけた

ふわりとした シフォホンを重ねたロココ調の豪奢な赤のドレス 

髪飾りに曲線を描く金と赤の宝石

金の宝石が埋め込まれた 赤い靴

 

白地に青の大きなリボンを巻きつけたような

ニンフを思わせる柔らかな生地の清楚なドレス

白地には 金と銀の刺繍が施されていた


髪飾りは 青と白とクリーム色の複数のリボンタイプのカチューシャに 

白の小さな花のヘアピンが

マネキンの髪の中で 沢山の花びらが降って落ちてきたかのように飾られていた


靴は 同じくニンフのイメージで 

足ふとももまで リボンで巻くサンダルタイプ



「ええっと・・・」リア  


「まあ、僕は 本来三毛種にしか出ないはずのXXYだから・・

女性化したら似合うかもね」苦笑するナジュナジュ

「でも男性因子のほうが強いみたいだから・・どうかな・・?」


「・・それとも古代の種族の白の系統かな?未分化多いし

あのエルトニア姫も未分化だよね」


「リアは・・?僕がどっちのほうがいい?」


「・・・え?」

憂いを帯びた ナジュナジュの青い瞳が リアを見つめている。

「もし・・」

「もし? もし・・?」どぎまぎしながら リアは聞き返す



「ごめん なんでもない」とナジュナジュ


「いつか アシャシャにこんなドレスを買って着せてあげたいな・・」

ナジュナジュはつぶやく


「アシャシャはナジュナジュに似てるから 

きっと美人になると思うよ」とリアは言う


「ん!」 「なんでもない」


「ナジュナジュも綺麗だよ・・・ 僕はどっちでもいい・・ 

優しい綺麗なナジュナジュが大好き・・」聞こえないように

小さな声で頬を赤くして リアはつぶやいた


「今のは秘密さ」リアは心の中で呟いた


それから 三人は

どうにか 町のすべての街灯に明かりを燈してゆく


大きな街灯には 魔法の焔を飛ばして 硝子の中に燈す

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