第2話
「あなた、明日優太の参観日お願いね、じゃ、仕事行ってくるね」
『はいはい、いってらっしゃい』
私47歳
主人35歳
若い旦那さんね
旦那さんハンサムね
パパかっこいいね
パパお洒落だね
明日言われることは予測がつく
見映えのいい年下の旦那と結婚したのだから。
この男、フリーランスのカメラマンと言う名の、ヒモ
月に2日仕事へ行けばいい。
他の28日は、犬の散歩、子供の塾の送迎、掃除位だ。
収入の9割は私が稼いでいる。
なぜこの男を選んだか……
それは子供に父親が必要だったから。
優太は私が望み一度だけ関係を持った有名ピアニストの種から生まれた子供だ。
私はどうしても彼の遺伝子が欲しかった。
一切の養育費は貰っていない。
そして、以前から友人だった、フラフラしてたこのヒモ夫に、欲しいものは全て与える代わりに父親になってほしいと頼んだ。
返事は、即答『いいよ』だった。
そしてもう10年夫婦を続けている。
自慢のお父さん、自慢の旦那、なんの不満もなかった……ヒモ夫に仕事が入るまでは。
仕事が入り収入が上がった旦那は、女遊びをするようになった。
勿論、私に不満をいう権利はない。
そしてある日言われた、『女に子供が出来た離婚してくれ』と。
私は、二つ返事で応じるしかなかった。
かっこいい父親が居なくなった息子、旦那が居なくなった妻、体裁が整わない生活が始まった。
だけど、息子にはピアノの才能がある……
きっと……
私は、息子を信じている……
種別婚〜産みたい女達〜 すぐ郁夫 @ririunao
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