第42話 現在・懐かしき声 リアン

再び現在

「わん子くん? エイル? 黒の・・あ、そうかアーシュ殿」

彼が黒の王というのは 一応 わん子くんには内緒だったけ


リアンの肩ほどに整えられた淡い金の髪が風に揺れる 


森を抜けてたどり着いた 

魔法使いの家で、わん子の家でもある 可愛い家 


ドアを何度か 残ってる左手で 呼び鈴代わりの鈴を鳴らして

様子を伺う


しばらく悩んだ後で ドア解除の魔法を唱えるが

パチン!「え?」

バシューン! 勢いよくドアから吹き飛ばされそうになる


家全体が まるでシャボン玉に包まれ 

そのシャボン玉の中には入れない


「!」


「様子が変だ?」 

「風の精霊よ わが手に宿り 魔法を砕け!」

しかし 一度は揺れたものの ビクともしない 

「私の魔法を弾いた!まさか!」


「リアン殿・・」

後ろから かすかに声がした 

振り返ると誰もいない


しかし リアンはその声に聞き覚えがあった 懐かしい声 今はいない

「今の声 まさか・・まさか!レグルス!」


「‥昔 死んだはずの私の副官」

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