第25話 罵倒

「大丈夫かな・今度こそ気がつくかな?」

どきどき


「やっぱりスープの煮込みも

捨てがたいよな」

と・・しみじみと一言のアーシュ


「あ・・やっぱり」涙するエイル


「さてと!じゃあ料理始めるから

調理場を案内してくれ」

とケンタウロス達に声をかけるアーシュ


うん!うん!とうなずくケンタウロスご一同様


「!・そうだ・荷物とってこないと・・」とアーシュ


そして・岩影に置いてあった小さめの荷物の入った皮袋に近ずく


すると・・皮袋の中のオルゴールが発 光して!


眩しい光を皮袋を透して

輝く!


そして・・赤い巨大な金魚・・アカアカもまた

その光に反応して輝く!


アカアカの中の光はゆっくりと人の姿を形どる・・


「え・・エイル・・?」


「エイルさん?ワン!☆」


透ける姿のエイル・・


金色の髪がふわふわとうねる

優しい笑顔・・左右色違いの綺麗な大きな瞳

そして 発した・その最初の言葉は


「アーシュのバカ!」

涙ぐみ・うるうるとしつつ・・。


恋人?アーシュへの罵声であった

「アーシュのバカ!バカ!

ケンタウロス達との戦闘を楽しんで!趣味の料理の事で頭がいっぱいで

僕の事なんか!忘れてたでしょ!」と

号泣しながら・怒るエイル


「・・・すまない」


驚き やっとの事で絞りだすように

口を訊いてエイルに謝罪するアーシュ


えっと 知らなかったとは言うものの


お魚に変身したエイルさんに

散々・刺身だのカルパッチヨにする・・って嬉しそうに目の前で

言ってたものワンワン


そりゃエイルさん

気がついてくれないし泣くよねワンワン


キョトンとするレグルスさんはじめ

ケンタウロスの皆様方


「お前・・頭でも・うったのか?

何 魚に謝ってる?」


「あ!」


「あ・はい ワン子にもエイルさんの姿が見れますワン!」

「エイルさん 可愛い少女の姿が見れますか?ワン」


首を振るケンタウロスさん達


なんか・まずいかもワン

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