第8話 水の中のエイル

水の中のエルトニア・・


ちゃぽん・・水の音

ぼんやりとした意識の中でエイルは思った


「あれ?僕どうしたのかな? なんだか水の中にいるみたい 浮いている」


「気持ちがいい」目をゆっくりと開ける


水は心地よく 満ちたりた気持ちさえしてくる。


向こう岸は浅くその浅い水面をかきわけて

バシヤ!バシヤ!と霧の向こうから 白い馬が現れた


いや、馬では、なかった

それは半人半馬

白銀の髪の少し筋肉質で 大柄な美しい女


「白の国の姫 お目覚めか?」

優しく微笑み笑う


「我が名はレグルス

白の王国に仕えし一族の一人 そなたの味方」


エイルの浮かんでる場所は深く 馬の下半身が半分近く水の中である

水に浮かんだままエイルは話かける



「貴方はなんだか変  いえ、そうじやないの

まるで夢の中の

伝説の不思議な夢の守り人みたい」


「伝説か・・


では、遠い遠い砂漠の異国


大昔の伝説の話をしてやろう


オシリスの神は、セト神に

殺され、バラバラにされ 川に流された。


だが 妻であるイシス女神が

バラバラになった身体を集め、つなぎ合わせて

完全ではなかったものの 生き返らせた」


「良いか、落ち着いて聞け

姫は生きてる・・だが、宝石箱の魔力は

そなたをバラバラにした」


「!」


「お前はバラバラになった自分自身を一つづ集めるのだ」


「心配するな お前を愛する者達がお前を守り、

バラバラになったお前を集めてくれる


それから、もう一つ

次に会う私は

過去の私 過去の時間・・そなたを知らない


そして時に敵かも知れない だが あまり気にするな」


「それから もう一つ

大事な事だ! 必ず 彼らはお前を見つけだす」


「黒の王と可愛いわん子だ そなたを守る」


「そう、どんな姿でも大丈夫 元の姿に戻れる」


今度はいきなり!エイルの顔を見ながら  突然に大笑いした!



「目を覚ましたら 大急ぎで 逃げる事!」 「良いか!」

「急がねば そなたは魚の餌になるぞ!」


「良いな!」

言葉じりに なおも笑いを堪えながら 白銀の髪のケンタウロス

レグルスは言った


言葉じりに

なおも笑いを堪えながら


しっかり、しっかりと念をおされる

奇妙な助言、アドバイスに悩みつつ


今度は本当にゆっくりと目を覚ますエイル


場面変わり

螺旋階段のアーシュは


「エイルが・・バラバラに?」

うなずく少女

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