自分は何人いるの?

ラスカル

第1話自分は何人いるの?

父はサラリーマン、そして優しい母は専業主婦

一人っ子の洋子は大学生。

どこにでもいる普通の家庭の、普通の女子大生だった

名前は洋子。ごく普通の日常からそれは始まる。


「遅れちゃう!!!」

寝坊した洋子は慌てて原付に乗り大学へ向かった。


学校の手前の信号機が黄色になり、急いでいる洋子は加速をした


急に右側に車が視界に入ると

「ガ~~ン」激しいショックを受けてそのまま意識をなくした。


よくある交差点での直進車と右折車の事故である


洋子の原付は小型のトラックの後ろにいたため右折車の視界からは発見できなかった。



洋子が目を覚ましたのは、事故から2日後だった


目を開けると、母親の顔が・・・・


「お母さん」


「目を覚ましたの?よかった、よかった」

と涙ぐむ母親を前にして洋子は少しづつ

状況を理解していた

確か、学校の手前で私の前に車が来て・・・・


事故だったんだ・・・


ぼやけた頭でそんなことを思っていると

先生と看護師が来て・・・


「洋子ちゃん!よかったね、目を覚まして」と言われたがまだ意識がはっきりしない洋子はうなずくだけだった


先生はなんか言っていたが、また意識が遠ざかり自然と目を閉じてしまった。




洋子は、事故の夢を見ていた


それはとてもリアルで鳥肌が立つほどだった


車と激突した瞬間、自分の体は野球のボールのように弧を描き地面にたたきつけられてピクリとも動くことは無い様子を上から見下ろすような感じで見ている夢である


洋子は、そんな自分に


「死んじゃダメ!!死んじゃダメ」と


何回も言った


すると、ひげ面のおじいさんがきて

洋子を抱き上げ空に昇っていった


「ダメよ~~まだまだやりたいこと沢山あるんだから!!!洋子を返してぇー」


必死に叫ぶとおじいさんはちらっと見てまた空に昇って見えなくなってしまった




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