エッチなイタズラでからかってくるギャルの姫川さんに陰キャの僕はやり返したい
もろもろこしこし
プロローグ
僕、小森貴志は、陰キャでぼっちで平凡な高校二年生である。
そして童貞である。
1人でいることは別に嫌いではないし、大人しい生活が好きだし、特に陰キャであることに不満はない。なんなら気に入ってすらいる。孤高な存在ってなんかかっこいいしね。
もちろん人並みに性欲はあるし、彼女だって欲しいし、童貞を卒業したいと思っている。
でも、告白できるほど勇気はないし、いつかいい人が現れることを適当に待っている自分もいれば、このまま独身でもまあいいかと諦めている自分もいるので、別に焦ってもいない。僕はそこらへんの性欲にまみれた男子高校生の猿たちのようにがっつかないのである。僕は紳士なのだから。
でもまあ、時々、図書館に篭り、清楚で大人しめで読書好きな美少女が現れないかとドキドキしていることもある。もちろん現れたことなどないが。でもこれからも通い続けるつもりだが。
この世はなるようにしかならない。
これが僕の結論であり、ここまで人生を生きてきた感想である。そんなことを考えている自分に少し酔っている部分もあるが、周りよりは精神年齢が高いからこそこのような考え方ができていると確信している。いわゆる達観視というやつである。
なので僕は高校二年生になった今日もいつも通り平凡で素晴らしい1日を過ごす、そのはずだった。
姫川沙耶、こいつが僕の隣の席に来るまでは。
姫川沙耶は、この学校でも有名な美少女である。
多くの人はそんな美少女の隣の席になって嬉しいと思うことだろう。
僕は違った。なぜなら彼女はギャルなのである!!
明るい髪色、緩めの胸元、短いスカート、腰に巻いたカーディガン。
めちゃくちゃギャルじゃないか!!
もちろん彼女が美少女であることは認めるが、僕は大人しめで控えめで清楚で読書好きな美少女が好きなんだ!!
ま、真逆じゃないか!!
つまり、陰キャである僕には荷が重すぎるのである。
ていうか正直、怖いのである。
びびっていると、姫川さんが話しかけてきた。
「あんたがあたしの隣の席?なんかいいやつそうじゃん!あたしは姫川沙耶!よろしくね!」
な、なんだびびって損したよ。フランクでいい人そうじゃないか!これならやっていけそうだ!
「ぼ、僕は小森貴志です。よ、よろしく。」
ふぅ。緊張したけど、なんとか話せたな。
「ウケる!返しがめちゃくちゃ童貞っぽいじゃん!!てか絶対童貞っしょ!!」
すると、姫川さんが爆笑しながら、そんなことを言ってきやがった。
前言撤回。なんなんだこの失礼な女は!こいつは悪だ。こいつは触れてはいけない僕の逆鱗に触れたようだな!!ポーカーフェイスで完全否定してやる!!
「は?ちゃ、ちゃうし!童貞とちゃうし!イケイケヤリチンだし!」
「はい!絶対童貞決定!!なにその反応!!マジおもしろすぎるんですけど!!しかも、むっつり!!笑笑」
な、なんだと??僕のポーカーフェイスが通じなかっただと!!しかも、む、むっつりだって!!それは聞き逃さない!!
「ちゃ、ちゃうし!!むっつりとちゃうし!!女なんて別に興味ないだけだし!」
「へぇ〜、じゃあ、なんでさっきからあたしのおっぱいチラチラ見てんの?バレてないと思った?」
ぎ、ぎくぅーーー!!バ、バレていただと!完璧にチラ見していたはずなのに!!なぜだ!!なぜだ!!
「えっと、いや、そ、その」
「まあ別にいいけどね!」
「え?いいの?」
「やっぱ見てんじゃん!!笑笑」
や、やられた。なんて巧妙な仕掛けなんだ。詐欺師なのかこの女は!くそう!またからかわれてしまった!!
「まあ今日はここまでにしとこっと!貴志っておもしろいね!からかい甲斐あるし!じゃあこれからよろしく!」
「よ、よろしく。」
も、もしかしてこんな感じの毎日が続くのか?この調子でからかわれていくのか?
さすがに僕のささやかなプライドすらも消失してしまうぞ!
ど、どうにかして姫川さんに対抗する方法を考えないと!
こうしてからかってくるエッチなギャルの姫川さんとやり返したい童貞な僕の壮絶な戦いが始まったのであった。
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