おはなし ひとひら:1 空色綿飴

羊が一匹

柵を越えて大地蹴り

白鳥になる空向こう


白鳥羽ばたき

千切れてほどけて

雲になり空に浮く


空向けた人差し指で

くるりと雲をかき混ぜれば

ざらめの雨が降ってきた


夢は遥か空のように

捕らえどころなく広いから

私になんか収まらない

現実になんてなってくれない


ざらめ紡いで巻き上げて

空色綿飴を頬張った

広がったのは涙味


零れた涙は視線の先で

弾けて溶けて

空に向かって飛んでった




―― ふわふわ



「vertige」様(現在は閉鎖)の「擬音・擬態語で5つのお題」を元に。

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