STEP

息を吐いても胸の澱は晴れなかった

瞳を開けてもあの人は居なかった


頬撫でる風は未だ冬かと思うのに

ひらり 視線の先で桜が踊る

変われないわたしを置いて

それでも冬が去る

それでも春がやって来る


だから

震える手を空へ伸ばそう

感じるままに涙を落とそう


道はなおも見えないけれど

歩き出す勇気はまだ出ないけれど

大丈夫

それが一歩になる


自分を変えるための

あの人を忘れるための

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