林檎の法則

見上げた枝に赤い実一つ


いつから見上げているのか

数えるのは止めた

見上げた首は痛みを超えて

もう下を向くことも出来ない


いつかあの実を

誰かの手がもいでいくのだろうか

私に出来ないことを

誰かはいとも簡単に


この視線が引力になって

林檎は落ちてくるに違いないって

この視線は矢になって

林檎の中心を射抜くんだって


頬滑る涙は知らないふりで

それでもそう

私は信じている


信じることでしか

林檎は手に入らないのだから


だから今日も明日も

これからも ずっと

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