志々見九愛のスーパー大往生

志々見 九愛(ここあ)

第1話

 ブソコープの本社ビルにて行われた社長のお誕生日パーティに、志々見しじみ九愛ここあこと私と班長は潜入に成功していた。

 このパーティで汚職的な取引が行われるので、現場を抑えろって。


 だがしかし、イケメン常務にオフィスに連れ込まれた私は、どんどん赤ワインを勧められてしまい、浴びるほど飲んでしまった。


 もうフラフラだよ。


 会場のホールまで戻って、外の廊下に置いてあるベンチに横になっていると、班長が水を持ってきた。


「どこにいた? 飲み過ぎだ。バカタレ」


「私、もう、ぇ〜しゅ!」


 その時、大きな物音とともに、「キャー!」と、悲鳴が聞こえてきた。


「何だ? 様子を見てくるから、動くなよ」


 泥酔してるからか、じっとしてたつもりなのに、体は何故か立ち上がっていた。

 千鳥足でホールに入る。


 どうやら、上から落ちてきたシャンデリアに潰された人がいたらしい。


「さ、殺人事件だ!」などと、野次馬が騒ぎ立てている。


 そこに班長がバッジを出して、人を遠ざけたりする。


 仕事のできる男だ。


 犯人はこの中にいるんだろうな。


 じゃあ、私はイケメン常務のオフィスで寝よう。

 殺人犯と一緒になんか居られない。


「ハンチョ! 私は部屋にもろらせてもらいま〜ひゅ


「バカタレ。さっさと酔いを冷まして手伝え!」


 いや、無理でしょ。

 飲み過ぎたし。


 私は常務の部屋のソファに横になり、大きなあくびをした。


 眠ってしまいそうだ。


 気がつくと、目の前に真っ黒な人影が立っていた。

 酔っ払い過ぎて上手に視認できない。


 手に持っているのは、ナイフ……?


「うわァァアアアーーーーーッ!」

 

 犯人に刺されて、私は死んだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る