三流小説も裸足で逃げ出すくそったれなこの世界で
なんにもできない
プロローグ
第1話 なんでこんな世界になったんだよ
「ほんと、くそったれな世界になったもんだよなぁ」
正直、こんな世界になるまではどこにでもいるただの平凡な小学生を楽しみ、ゆくゆくはそのまま大学まで進んで、何の変哲もない会社員として労働に勤しみ、老後は気のいいおじちゃんとして天寿を全うして生きるもんだと思ってたのに…
「創造神のくそったれめ」
なんて悪態をつきながら、なんでこんな世界になったのかを、世界が変わってしまった日を思い出す。
閑話休題
その日、俺は小学校の授業が終わり帰路についていた。あと数歩で家の敷地をまたぐというところで、突如空から「ゴゴゴゴゴゴゴ」という轟音が鳴り響いた。
轟音に驚いた俺は、命の危機を感じながらも得体のしれない音が何から鳴っているのか確認するため空を見上げた。
いや、正確には人類、生きとし生けるものすべてがその瞬間空を見上げたと思う。
空から響く轟音の正体、それは巨大な隕石だった。しかも地球へと落ちる寸前。
なぜこんな隕石が落ちる瞬間まで人類は気づかなかったかは後になってわかるが、端的に言って全て『創造神のせい』の一言でまとまってしまうのだ。
まぁ何はともあれ、この隕石の落下のせいで、人類の3分の1は消失してしまうのである。これまた不思議なことに、落下地点からそこまで強くない衝撃が全世界に広がったかと思うと、突然人が消失。消失した人は完全にランダム。一緒に出掛けていた友人が隕石の衝撃を受けた瞬間消えてしまったなんて話や、電車に乗っていたら見えている限りの老若男女が
俺の家族はこの謎の隕石が落下したその時はまだ生きていた。ランダム消失に当たらなかったのである。
ちなみに落下した隕石はそのまま消えていったという不可思議現象のおまけつき。
世界は大混乱した。あの会社の重役が消えただの、とある県知事が消えただの、官房長官が消えただの、芸能界の大御所が消えただの、俺の同級生の子が消えただのてんやわんやである。
当時の俺は「隕石ってこんなこと起きるのか怖いな」ぐらいの認識だったが、正直これはまだ序章に過ぎないのだ。くそったれなこの世界になる第一歩でしかない。
世界が混乱の極みに落ち6時間が経過したころ、すべての人間に聞こえるけたたましいサイレンの音が鳴り響き、PCのディスプレイ、携帯電話の画面、テレビ等のありとあらゆる表示媒体や空一面にとある一人の老人が映し出された。老人は言った。
「この世界は崩壊した。今までの常識が通用しない世界になってしまった。すまない。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます