第149話浦近く ふりくる雪は 白波の

寛平の御時きさいの宮の歌合のうた

藤原興風


浦近く ふりくる雪は 白波の 末の松山 こすかとぞ見る

                  (巻第六冬歌326)


※末の松山:現在の宮城県多賀城市に存在したと言われている山。「波が末の松山を越す」は、「不可能なことが起きる」の意味。


海岸近くで降る雪を見ていると、まるで白波が末の松山を越えてしまうように見えて来るのです。



※藤原興風:生没年不詳。琴の師で、管弦に才能を示した。三十六歌仙の一人。百人一首に歌を採られている。家集『興風集』がある。古今集初出(十七首)。勅撰入集計四十二首。



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