第146話雪ふれば 冬ごもりせる 草も木も

紀貫之


雪ふれば 冬ごもりせる 草も木も 春にしられぬ 花ぞさきける

                     (巻第六冬歌323)


雪が降ると、冬ごもりをしている草や木には、春には見ることがない花が咲くのです。


つまり、雪を「花」と見立てて、「春に知られぬ」とする。

(木の枝や庭に散り積もった雪を、花と見る)


わかりやすいけれど、淡泊な歌にも感じる。

ただ、目の前の木の枝や庭に散り積もった雪を、花と見ただけなのだから。

ただ、あまりひねり過ぎず、サラッと詠むのも、紀貫之の特徴の一つ。





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