　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よみびとしらず

あひ見ねば　恋こそまされ　みなせ川　何に深めて　思ひそめけむ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（巻第十五恋歌五760）

※みなせ川：水無瀬川。水が地下に伏流として流れる。「下」「深い」などにつながる。

お逢いできない日が続くと、恋しさが募ります。

どうしてこれほどまでに深く、あなたを思うようになってしまったのでしょうか。

身分の格差などがあり、恋心を表に出せない相手なのだと思う。

それゆえ、恋心は自分の中で、深まるばかり。

今さら後悔しても遅い状態らしくて、いつまた逢えるのか、訪れてくれるのか。

その時までが待ち遠しくて、辛くて仕方がない。

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