第3話我が背子が 衣の裾を 吹き返し
よみびとしらず
我が背子が 衣の裾を 吹き返し うらめづらしき 秋の初風
(巻第四秋歌上171)
私の彼氏の衣の裾を吹き返す、そんな思いもよらない、秋の初風が吹きました。
この場合、彼氏と彼女は、お互いに見える程度に、少し離れている。
彼女は、彼氏の着物の裾を、少しひんやりとした風がひらひらと吹き返す、その一瞬を秋の初風の仕業と詠む。
彼女
「あら!いい風、着物の裾がひらひらと、秋が来たのかな」
彼氏
「うん、ようやく涼しくなるね」
そんな初々しさを感じるような、さわやかな歌と解釈しました。
※よみびとしらず
古今和歌集の1,111首のうち、約4割がよみびとしらず。
多くは、過去からの口唱されて来た流行歌には違いないけれど、誰が詠んだのかわからなくなってしまった歌。(特別の事情で秘されている場合かもしれないけれど、調べようがない)
あるいは、社会的階級の差から「名前を記すまでもない」とされた人々の歌。
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