第41話 失念

「え?俺と?」


四天王の一人である紺野さん。

容姿は完璧であり、街を歩くだけで男の羨望を集め、女の嫉妬を集めてしまう美少女だ。

そんな彼女が俺と出歩く?

俺も確かに結構見られる。

2度見とかも良くされる。

でもそれは顔面偏差値30だからだ。

決して顔が整っているからではない。

しかし紺野さんは、


「風間くんしか誘える人がいないの……。友達はいないし、親はカオス猫嫌いだし。しかもカフェに一人で入るなんて無理だよ……」


四天王は女子から差別されている。

同性の友達はいないのだ。

俺はそのことを失念していた。

紺野さんが例え顔面偏差値30が隣にいても良いと言うのなら問題ないだろう。

俺は美少女といられるというメリットがあるしな。

デメリットはなんでこんな男?みたいな目に晒されるだけだ。

視線には結構慣れてきたしな。

しかもカオス猫、俺も嵌まってしまった。


「分かった。松葉杖だけどいい?」


「大丈夫。何かあったら私もサポートする……から……」


そう言って俯く紺野さん。

俺の足を見ているのかな?

こうして来月、二人でのお出掛けが決まった。

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