第11話 兄妹
空気が凍った。
義妹は表情1つ動かさない。
いや、口元がピクピクと震えている。
顔はさっき真っ赤になっていたが、更に真っ赤に染まっている。
「ふんっ!し、知ってたし!末永くっていうのは兄妹としてってことだし!勘違いしないでよね!」
うん。
言い訳感が半端ない。
だけど俺は女の子に恥をかかせるような屑ではない。
「ごめん、俺の勘違いだったよ」
「う、うん……」
なぜそこで照れる義妹よ。
最近人の考えていることがよく分からない。
「ね、ねぇ。」
「どうした?」
何かを決心したかのように義妹が話しかけてくる。
おそらく大事なことなのだろう。
俺はしっかりと義妹の目を見て返事をした。
「その、兄妹だし敬語は無しにしよ。あと私のことは、か、夏帆って呼んでいいよ。だから、し、晋也って呼んでいい?」
思わず笑ってしまう。
ああ、上手くやっていけそうな気がする。
「ああ、もちろん。これからよろしくな、夏帆」
「うん!」
満面の笑みで義妹は頷いた。
その笑顔はとても魅力的で、ドキッとしたのは内緒である。
顔面偏差値30の男にドキッとされても迷惑だろう。
窓を見ると太陽は既に沈みかかっていて、空はオレンジに染まっている。
「よし、夜ご飯食って寝ようか」
「うん。そういやし、晋也。明日の準備はしたの?」
「明日?」
「何言ってるの?明日から学校だよ?」
……え?
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