魔法重視の世界で俺だけ剣士 〜 最弱から最強へ 〜
伊吹とろろ
第1話 リスタート
『 シン、お前クビだ。 』
『 え? 』
難関ダンジョン ボス手前での
いきなりのクビ宣告 俺は理解が追いつかなかった
『 リーダーの俺は 煉獄魔法
サブリーダーのサテラは 氷結魔法
魔力0 サポートも能無し
腰に長剣を巻いただけのお前は なんなんだ? 』
この世界 ヴェルヴァーナは
魔法絶対主義の世界
子供の頃から 魔力がなかった俺には
生きるのでさえ厳しかった
こんなところで一人置いていかれたら
モンスターにやられてしまう
『 せめて!せめて..
このダンジョンだけでも.. 』
必死な俺を見て サブリーダーは言った
『 良いじゃないですか リーダー
今回だけ。 』
サブリーダーの意向もあり
ボス討伐の参加が認められた
このパーティは俺を含め7人編成
リーダーのディアム、
サブリーダーのサテラを中心とした
攻撃魔法特化型の編成だ
今日は一人 欠席していた
道中は さほど強いモンスターは出現せず
軽快に ボスの間 近くへと進んで行った
俺たちは 顔を見合せた
『 回復良し、アイテム良し
万全だな、 行くぞ!! 』
『 ギギギ 』
リーダーの掛け声と共に
ボスへの扉が開いた
ボスの間に入ると
突然 青い光が並ぶように点滅し、
光の先には 1匹の魔獣がいた
そして その魔獣の足元には大量の血が
浮かんでいた
『 バ、バ、バフォメット.. 』
頭に大きな角を持ち羽の生えた 大きな羊、
両手には 禍々しい剣が握られていた
『 こんなの聞いてないぞ!!
街で あの杯の魔道士は言ったんだ!
簡単に金を大量に稼げるクエストがあると.. 』
俺たちはまんまと騙されていた
魔獣を前に怯え叫ぶ リーダーを見て
サポート件 タンクのドスポが 立ち上がった
『 俺に任せてください。
あいつの一撃しっかり受け止めてきます 』
ドスポは パーティ最年長、
頼れる兄貴のような存在だ
ダンジョン攻略の時は いつも 世話になっている
『 コロ...ン... 』
少し 安心したのもつかの間
俺の目の前に 転がってきたのは
ドスポの頭だった
魔獣の射程内に入った時
一瞬にして 切り刻まれたのだ
怯え 震える 俺たちを見て
魔獣は高らかに笑った
『 これで 何人目か...
無能な人間どもを切り刻むのはよ! 』
『 守備力最強の ドスポが一瞬で.. 』
『 ディアゴ フリーズ!!! 』
『 諦めるな!まだ勝機はある! 』
パーティー全員が絶望している中
サブリーダーのサテラが呪文を放ち
魔獣の全身を凍らせた
『 遅えし、薄い。 』
魔獣は 氷結魔法を即座に解き
サテラの前に突如 現れ 心臓を貫いた
サラ、マッド、ディアム
次々に 仲間は八つ裂きに切り裂かれ、
そこら中に血の匂いが散乱していた
《 絶望 》
『 最後の一人か、
お前 杖や魔導書は持ってないのか? 』
俺は 魔獣に頭を捕まれていた
『 うる..せ...え.. 』
『 『 ?? 』 』
魔獣は不思議そうな顔を浮かべていた
完全に人間を舐めている
『 殺す!!! 』
『 あっそ。 』
魔獣の一言と共に血しぶきが舞い
目の前が真っ暗になっていた
何も反撃出来なかった
みんな やられるんだ、この先もあいつに
そう考えている内に 時は着々と過ぎていった
『 あれから何時間が経ったのだろう。 』
身体は動かないが 意識はハッキリとしている
何も無い まっ暗闇の中
『 目..めな..い 』
何処からか ひとつの声のようなものが聞こえた
『 地獄に落ちる前の 神の声か? 』
後悔は山ほどあった、
子供の頃から 無能力者と貶され蔑まれ続ける日々 冒険者として 旅に出てもどこの
パーティも受け入れてさえくれず
死にものぐるいで入った パーティも今終わった 。
幸せなことなど何も無い、儚い人生だったのだ
走馬灯が駆け巡る中
闇の中の声が鮮明になっていった
『 目覚..め..さい. 』
『 目覚めな..さい 』
『 もう..... 』
『 目覚めろって言ってるでしょ?!? 』
突然の大きな音と共に 俺の目は開いた
視線の先には 一人の美少女が立っており
背後には大きな時計のような物が見え、
辺りは暖かな光に満ちていた___
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