第26話【大切な人の為に】

どこか

《自分だけは大丈夫》


と思い込みたい時(事)もある


まさに今の世界の情勢が

その時なのでしょうね


十数年前の自分が

正にその状態だったのが思い出されます


父が肺がんに倒れた時


《初期段階だから手術をすれば大丈夫》


と安心したのもつかの間

刻一刻と状態が悪くなっていく中

絶望的な言葉を宣告されても

どこかで


《治るはずだと…》


頭の中では理解しているのに

感情と思考回路が一致しないと言うか…


そして

その運命の日

午後3時過ぎ頃から私は

職場で急に蕁麻疹が出て全身がブツブツになって

どうにもこうにも痒くて…

なんとなく呼吸もしづらい


と言う感覚に陥ったのですが


後に母に


『その日は、パパ3時(午後)過ぎ頃急に容態が変わって』



パパ 苦しかったんだね


辛くて

悲しい

痛い


普段は我慢強いパパが


ママに弱音を


『もう…助けてくれと』


言う程に…


こんな時

周りの人間はどうしてあげる事も出来ず

本当に無力であると…


他界した後も同じでした


本であったか

誰かから聞いた言葉だったか

思い出せませんが


《天国では亡くなった人は痛みを感じない 》


だからもう

苦しむ事も無くなってよかったね

パパ

と思う日もあれば


ずいぶん長く帰って来ないなぁ

早く帰って来てよパパ


と非現実的な事を…

まだ生きていて…ただ

長い長い外出に出掛けている

だけ…なのだと…


この不思議な感覚は、

現実を現実として受け止められない感覚


実際に経験した人間でも

(私の場合です。皆様同じという意味ではありません)


ずっと持っている感覚なので

中々現実を

現実として受け止める事の難しさ

少しは分かるつもりです


それでも少し想像してみてください


私の母は喘息を患っています


発作が起きた時には

見ている方が辛くなる位に…


咳と

時に

呼吸が…息が詰まりそうになる

様子を見るのは本当に辛いものです


『今コロナにかかったら、私…重症化するよね…』


と時々口にする様になりました


『そんな事…』


子供として


『そんな事無いよ』


全否定してあげられない辛さ

その言葉を言わねばならない


母の

苦しさ

恐怖



少しでも良いです

もしあなたの家族がそのような事を呟いたら …

そのような様子を見せたら…


あなたは何を感じますか?


あなたの大切な人に

もしかしたら

コロナを移してしまうかもしれない


反対に

家族から自分に

という事もあるでしょう


もし家族がコロナに感染したら


もし自分がコロナに感染したら


家族の間で

こんなにも

悲しくて辛い


そして後悔する

出来事は無いと思います


今はどうか

一人一人 良く考えて


当たり前の幸せが

当たり前の日常が

ある日突然奪われる

悲しみ辛さ


辛くて悲しくても


亡くなった人の為

生き抜いて行くしかない

その後の人生を


決して

《他人事》

では無く


《自分の事》

にも起こりうる事

なのです


皆さんが


どうか(私も含めて)

どこかしら


《自分は大丈夫》


という考えを捨てて


今のこの状況を乗り切る為に


《己のするべき事》



考えて下さると


嬉しいです


長々すみませんでした



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