第一章 今宵のアヤカシ


「さぁ、そんなことより。さっさと、家へお帰り。でないと、化け物の餌食になるぞ。」


「化け物……?」


眉を寄せ、見つめる露子に、ニヤリと笑う。


「そう……化け物さ。例えば……こんな奴とかね。」


ニヤリと笑って、素顔を見せた私の顔を見て、露子は、悲鳴を上げて、山道を下りて行った。


「助けてー!お化けー!」


おいおい。確かに、私は、化け物だが、人の顔を見て逃げるなんて、失礼だぞ。


まぁ、仕方ないか、フフフ。


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