楽しいうそ
@dsmfoe9
第1話
悲しいことに嘘つくのはやめだ。
楽しいことに言い訳する自分がひどく惨めだ。
いつもなら人で賑わう観光地も、今は閑散としている。
道ゆく人はみな、どこか物憂げ。
どこにいっても、私にできることは一つもなくて、誰かが苦しむのが当たり前。
言い訳がのどの奥ついてでる。けれど、不思議と居心地が良くなるのがわかった。
久しぶりにノートを取り出す。急に気持ちを吐き出したくなった。
ノートにペンを走らせても、やっぱりスラスラとはいかない。イライラみたいな
苦しいことは勝手に走り回るのに、私の本当の気持ちはどこにも見当たらない。
そんなときふと頭に浮かんだ、本当の自分。
夢中で思いを書きつづるまま、しかし一瞬ペンが止まった。
タンッと弾みをつけた。
勢いそのまま滔々と素直な気持ちをつづる。忘れていた懐かしい気持ちに頬が熱くなる。
楽しいうそ @dsmfoe9
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます