学園のアイドルでライバルの美少女が何故か俺の義妹になったんだが?!

まる

エピローグ


さてさて質問である。世の中には天才というものが存在するかどうか。


答えは『分からない』である。客観的に見て天才だと思える人物であろうとその人物が血も滲むような努力を重ねてその地位を確率したのならば天才ではなくその彼が努力をした結果なのだ。



なぜこんな話をしたのか。俺 山口 司(やまぐち つかさ)は幼少期から絶対に負けたくない相手がいた。



神崎 七海(かんざき ななみ)彼女は容姿端麗、運動神経抜群、頭脳明晰。まるで小説の中から飛び出してきたかのような女は周りから『天才、天才』

と言われてきた。


だが、俺は知っている。彼女がどれだけ努力をしているかを。


自慢じゃないが俺は彼女に唯一張り合える人物だと思っている。


だって俺も彼女に負けないくらい努力してきたから。


そして俺も『天才』という一言でその努力を否定される。


俺がこの世で最も嫌う言葉『天才』。多分彼女も同じだろう。


だが、何故俺はこんなに彼女に対して対抗意識を燃やしているか。


それは、小学校2先生の頃に遡る━━━━━━


小学校2年生の頃。


俺のクラスに神崎 七海がいた。その整った容姿はこの頃から注目を集めていた。


彼女はこの頃から小学生とは思えない頭脳を持っていた。

その頃の俺は多分それが気に食わなかったんだろう。だから俺は彼女の筆箱を隠したんだ。


「先生、私の筆箱が無くなりました。」


「え?お家に忘れたんじゃないの?」


「いえ、絶対に持ってきました。」


「そうなのね。はい、皆さん!神崎さんの筆箱が無くなりました。知ってる人はいませんか?」


「........」


この時の俺は狂っていたと思う。嫉妬して彼女の筆箱を隠した。この時はやってやったぜという達成感が心を支配していた。だがその達成感は直ぐに消えることになる。


結局、俺が隠した筆箱は放課後まで見つかることは無く、神崎には家で探すようにと先生に言われていた。


俺はほっとして帰宅しようとしたその時。


「ねぇ、あなたでしょ筆箱隠したの。」


「え?」


なぜ?なぜ分かった?俺はヘマをしていない。この時俺は小学生かがら多分中学生並みの頭の回転速度で言い訳を並べた。


「え?俺が筆箱を隠した?ははっ、神崎何を言ってるんだ?」


神崎は呆れた表情で


「あなた、朝私が先生に報告した時1人だけ先生から目線を逸らしてた。そのあともずっと落ち着きがなかった。だから、あなたが隠した犯人だと思ったの。」


まさか。彼女は絶対に自分が筆箱を忘れてない自身と、クラス全員の前で無くなった旨を報告することでクラスメイトの反応を伺っていたのだ。小学生離れしている。と今となっては思う。


この時、俺は『すげぇ』と思ってしまった。彼女は俺に無いものを全て持っている。と。


だがそれは当時小学生だった俺には醜い嫉妬心に変わっていた。


「だまれ!自分が天才だか可愛いとか思ってるのか知らねぇけどその口調腹立つんだよ!」


はっ。俺は何言ってるんだ。冷静になった途端、後悔が生まれた。


「はぁ、私が天才?そんな訳ないよ。私は幼稚園の頃ドジでマヌケでひらがなも書けなかった。だけどそれが悔しくて努力したの。天才?ふん。それだけで私の評価を決めないで欲しいね。」


あぁ、なんて凄い子なんだろう。本当に俺と同い年なのか。人生何回目?と今になって思うね。


「くっ....なんだよ努力努力って自分だけが頑張ってます?アピールかよ!そうかよ!じゃあ、俺がお前がしてる努力以上努力してお前に勝ってやる!覚えとけよ!」


俺は彼女に対して激しい対抗心を覚えた。


「じゃあ、今からはあなたと私ライバルね。」


この時から俺と彼女の勝負は始まったんだ。

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