乳児期 主人公視点
第2話1-1
窓からの光の眩しさに、僕は微睡みから目が覚めた。地下から地上に出てしまったようだ。しまった。乗り過ごした。
急いで飛び起き……身体が動かない。
呟いてみる。変な声。
寝転がっている体で首だけ横に動かすと、赤ん坊がこちらを覗き込んできた。
………見つめ合うこと30秒。
「(……ああ、これは、僕だ……)」
どうやら僕は転生してしまったらしい。
…ラノベやアニメの舞台となる異世界に。
そう思った瞬間、緊張が解けた。瞼が重くなってきた………。
いつしか……僕は……眠りに…ついた……。
「(僕…地下鉄に乗って…そのあと…。)」
Zzzzz……
速報です………今日18時頃地下鉄Mβ線
て爆破テロが起き乗客全員が死亡しました。
………次のニュースです
そばで人の声が聞こえた。
ゆっくり目を開けると、僕は女の人に抱かれていた。すごく美人だ。僕の母親かな?
と、その後ろでは、栗毛の女の子が恐る恐る様子を伺っていた。
母親か優しい声で女の子に
何かを言った。 「∃∅∑∅∇∆∈∉!¤£€‡∃。」
なんて言ってるんだろ?
……まあ、ここは…と。
「アブ〜あばばば…バア!」
僕はそう言いながら無邪気に微笑んだ。
女の子も微笑んだ…気がした。
だけど、女の子は部屋から駆けて行ってしまった。少し頬が赤くなっていた。
そしてあの時間だ。
恥ずかしいけれども僕は赤ちゃんだ。
そう思いこむとにした。
神様…せめて幼児期に転生させて欲しかったです……
いるかわからないケド………
……多分、顔は真っ赤だろう…
兎にも角にもお腹はいっぱいになり、
僕はまた寝てしまった。
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