『映画 アナザヘヴン』

 ネタバレを含みます。


 20才くらいにテレビの金曜ロードショーで観たアナザへヴン。

 ドラマで見た独特の世界観に惹き込まれ、映画にも興味を持って観ました。


 どちらも素晴らしいクオリティーです。

 何故、この作品に惹かれたのか自分なりに分析してみました。


 刑事が人間離れした謎の猟奇殺人事件を追っていく内容なのですが、犯人は未来から来た『何か』でした。

 未来は平和でつまらない。ニュースでは連日、残酷な事件が報道され、世界のいたるところで紛争が起き、憎しみに溢れ、人道性を遺棄した現代の方が『何か』にとっては楽園に感じたのです。

 そこで『何か』はつまらない平和な未来から抜け出し、現代へとやって来たのでした。『何か』は人間の中に入り、乗っ取った人間を使って悪逆非道の限りを尽くし現代生活を満喫します。


 人は(少なくとも私自身は)自分の中に残虐非道な一面を少しはもっていると思います。しかし、日常生活を送る上では理性や良心がそれを制しています。

 この物語は、そういった人が誰でも持っている、しかし、自分でも自覚したり認めるのが、はばかられるような残虐性と、それを制し善良性を維持し他者や自分を保護しようとする側面(この映画で言えば刑事的な側面)を見事に忠実に再現したものだと思います。


 そこには、まるで鏡に映し出されたように自分自身が見事に描き出されている、そう感じた人々が当時は多かったのではないでしょうか。

 それがきっと、当時社会現象を引き起こすまでになった理由ではないかと感じました。


 TVドラマ、映画、原作小説があります。

 興味がある人はぜひ見てみてください。

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