Grapefruit juice

オノヨーコの本を読んだ。


印象的だったのは、

【砕いた石の粉を友達に送りなさい。そしてそのことを誰にも話さないでいなさい】


友達は、急に何かよくわからない粉を送られてきて、それが何か聞いても教えてもらえないって、かなり謎な事件だと思う。


でも、それをしなさいってことは...。


誰にもわかってもらえなくていいことを、理解されなくていいから、やってみなさい。


意味のないことをやってみなさい。


側から見たら、気狂いかな?って思われるようなことを、1人の時でもいいからやりなさい。


何でもない1日を過ごしなさい。


派手な馬鹿みたいなことをやれって言う今時の教えじゃなくて、不思議ちゃんみたいなことをちょっと息抜きにやってみなさい。


っていうような感じがした。


ただ、お湯が沸くのを見てるとか、ゆっくり時間を過ごしてていいんだって、なんだか、許されたような気がした。


適当なことを言って、『やってみなさい』でも成り立ちそうなのに、1人の人間として、認めてもらったようなあたたかい気持ちになった。


あれもやらなきゃ、これもやらなきゃって、目の前の家事や将来のこと、気負っていた。


息子を泣かせて、そのために頑張っていた。


息子と一緒に寝転がって、ただ見ているだけでいいんじゃないかな。


ちょっと、立ち止まって、その手に持っているもの置いて、座って寝そべって、息子を眺めていれば、お互い幸福なんじゃないかな。


貯金のため、節約のため、全てはお金のために動いてるんじゃない?


家事代行したっていいじゃない。


外食やテイクアウトでいいじゃない。


何もしないで、そばにいるだけで良いじゃない。


日々の育児に疲れ、実家で過ごす日が増えたら、家で夫と過ごす休日が苦痛になった。


いるなら頼りたくなっちゃう。


でも指示しないと動かないし、夫も自分の休日を堪能したい。


思いが通じないとストレスになってしまって、声も小さくなり、言い方もトゲトゲしてしまう。


普通に言ってるつもりなのに、文句垂れたように聞こえ、気分を害す。


『しばらく別居しよう』ってまた喉まで出かけた。


そんな時にこの本が届いた。


全部放ってコーヒー淹れて読んでみた。


そして、夫に提案した。


『食費あげるからしばらく料理しなくていい?』


何も聞かずに『うん』とだけ答えた夫。


何も言わずに、本を読んでコレを書いてる間、息子と遊んでくれてる夫。


ありがたいよね。


疲れたら休めばいい。


1週間とか1ヶ月とか、長期休暇取って、何もしないでいればいい。


休むのは、つい1日とか数時間とか数分単位で考えがちだけど、もっと贅沢に過ごしてみようよ。


心が錆びてたら、入るものも出るものも、濁ったものばかりになる。


休憩しよう。


やらないことを決めてみよう。

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