世界一の彼女として、愛してくれますか？──俺は求めてないのだが、ラブコメ展開になるのはどうしてだろうか？

プロローグ─涙の雨

　部屋の外から聞こえてくるのは、ザーザーと雨の降る音だけだ。

　俺はいま、一通の手紙を読み終えたところだ。

　そこには、手紙を書いた彼女の美しい文字と、未来への少しの希望、そして、残酷な事実が書かれていた。

　ただ、俺はその手紙を読み終えても、あまりの現実感の無さに、泣くことすらできなかった。