第26話 当たるもはっけ

 青い空、白い雲。

 草原の丘はほんのり風が強く。

 古めかしいブロック塀の残骸や、木々などが点々と見えます。


 あっ、いま、べつの誰かが映り込みました。

 現地人でしょうか?


 金髪ショートカットの剣士さん。

 性別はわかりません。

 お兄ちゃんを庇うかたちで戦闘に入りました。


 するとカーランドさんが。

「ああ、なんということだ。あの肩当てに刻まれた、かの紋章は、ルイス家の五指龍ごしりゆう


 知ってる人?


「ええ。大いなる戦を勝利へと導いたティアラ・ルイス様です。彼女がそこに映るということは、お捜しの御仁は、生還も救助も絶望的な、空島にいるとみて間違いありません」


 西でも東でもなく。

 上空でしたか。


 するとディーネちゃんが。

「その島は、どちらに浮いておりますの?」


「ここしばらくは、北東のアンダレイ山脈で見かけたという報告があがっています」


「北西ではなくって?」

「ええ、北東です」


 梨乃ちゃんが、ほほ笑みました。

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