第14話 天下一武道大会
現実世界における競技スポーツの世界は厳しい
物心ついたときから何年も何年も鍛錬をかさねても 試合でTOPに立つのは一人だけ
コーチに恵まれなかったり 運にめぐまれなかったり 単純に遺伝子の壁を越えられなかったり。
それゆえ そのスポーツが好き・楽しいで始めても 諸般の事情で遠ざかってしまった者は多く、その世界に長くとどまったがゆえに魂を傷つけてしまった者も少なからずいる。
それゆえ 転生待ちの魂の中には 自分が思い描く条件を持って生まれ、最高のパフォーマンスを
というわけで その一瞬にすべてをかける格闘技系転生希望者の世界が作られた。
この世界もまた 凛はプロデュースのみ。
世界の主催者はデーモン神
凛はデーモン神が最初に持っていたエネルギーの3割と、以後デーモン神が得たエネルギーの1割をもらいつづけることになった。
デーモン神は 最高の競技環境を整え 転生者達に心行くまで試合と再エントリー(転生)をしてもらい、観戦中の神々が放つエネルギーと 参戦希望の神々の昇華エネルギーで 自分の世界を運営していくという。
・競技者たちの再エントリーの為の転生エネルギーはデーモン神の持ち出しになるし
試合は健全なルールに基づいて行われるため たいていの魂たちは 何度かトライしたあとは 実直な人生(赤ちゃんとして生まれて スポーツもある普通の人生、スポーツのみではなく 人生そのものを楽しむ生き方)を希望して別の世界に転生することを望むようになるだろうと凛は予測した。
デーモン神は 賭博好き・血気盛んな神々たちが放つエネルギーを考えれば、競技人生を心行くまでまっとうしたい魂の再生のために用意するエネルギーなど 心配することはないと言った。
その結果 格闘技系天下一大会に出場する魂たちは たいていその一度の大会で燃え尽きて純粋エネルギーとなり、そこで回収したエネルギーを使って、競技人生を全うしたいと思う魂たちのための社会(←デーモンが運営する天下一武闘会の世界とは別)が運営された。
・神々の中には 単純に競い合うことが大好きな神々もいて その者達は 天下一大会や各種スポーツ大会の優勝者や優勝チームと技比べ・力比べをしたくて、勝負が引き分けに終わる程度に自分の力を調整して転生者に挑むものが増えてきた。
この者達は 最初から「神様」と告知して優勝者に挑んでいたので、転生者達も
勝ち負けの無いエキビションとして受けて立つも良し あるいは断っても良しであった。
こうした神々が参加料として支払うエネルギーや 賭博好きの神々が支払うエネルギーが デーモンの懐を肥やすと共に、転生競技者のための生活環境改善に大いに役立てられた。
・それゆえ 競技者として転生する魂たちは 己の希望する競技にぴったりの理想の遺伝子を持って、転生前に理想と考えた環境に赤子として転生することも、自分のイメージ通りの肉体をもって 試合直前に転生することも あるいは自分の臨む肉体を持って希望する年齢と環境に転生して そこでしばらく練習してから試合にのぞむことも自由に選択できるようになった。
いいかえるなら 生前の「無念」を取り除いた状態で試合に臨んで 結果を見ることができるようになったわけである。
そこまでやって 競技人生満足できましたか? 思うようにパフォーマンスできましたか?
その答えは 各人各様であった。
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