第5話 いちゃりばちょーでー

ひとりじゃないよ



ここに誰かはいなくても


君と話がしたいと


今日も気にかけてくれる人がいる



うまれてから今日まで


瞳(め)にしてきた人の数を数えてごらん




父と母と


よくいくあのコンビニの店員さん


いつもすれ違う近所のあの子


気にかけてくれた先生




迷惑をかけずに生きることはできないから


なら、その分返せばいいだけの話さ


君の曇り顔を晴らしたいがためだけに


今日も作戦を立てる人がいる





なにも返せないからというのなら


どうか笑っておくれよ





屋上に足をそろえる前に


できることはもっとあるはずだ


それほどの苦しみを耐えてきた君ならば



もう「がんばることはしなくていい」から


もう「泣いてもわめいても誰かにしがみつけ」


もう「むりなんだ」って


全部吐き出せばいい




今まで散々耐えてきたのだから


もういい


もういいんだよ






出会ってしまえば人はみな


ひとりになどなれないのだから

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