真夜中の暗がりに 透明な彼女は溶けていく

ミケ

第1話 白と黒と透明と

彼女の全ては透明だ。

肌のその先も奥深くさえも透けそうな白い肌

冬の吐く息のように空気中に溶けていく言葉達


だからこそ僕は君に惹かれた

重たい真っ黒なこの髪のように

どんよりとしたこの瞳のように

僕は黒色だから


最初は君の綺麗な瞳が

僕を写すことで濁ったように見えて興奮を覚えた


君の喉が僕の名前を呼ぶ事で

排気ガスのように嫌な影と臭いが残った


ああ きっと

幼児が真っさらな画用紙を汚すように

彼女を僕の黒色で汚したいんだ

一緒に川底のヘドロのように沈みたいんだ

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