3日目
僕が取り上げた事件は正解の様だ。既に死んでいる人がいる中で正解と言えば聞こえは悪いが、この死体腐敗事件、段々と深刻化してきた。
政府はこれを新型ウイルスの可能性と発表しているが、それにしては致死率が異常だ。勿論、致死率高いウイルスという考えも出来るが、遂には僕の住んでいる地域の隣町は、死体腐敗事件で全滅。この状況に政府は『地域の対策がなって居なかった』と片付け、流石政府の考えは可笑しいと思った。
僕は今は、ホテルをチェックアウトし、少しでもウイルスの遠くに逃げようと引越し移動をしている。一度実家に帰ろうと思ったが危険は避ける為に今この日記を書いているPCだけを持って電車で移動中だ。
まさか、僕はこの事件を取り上げた時は傍観を決め込もうと思っていたのに、逃げるという選択を強いられるなんて想像していなかった。また、僕と同じ選択をした人も多く、電車はほぼ満員状態。電車の中から聞こえてくる話し声が、新型ウイルスの可能性について持ち切りだ。
新型ウイルスの可能性。僕はそれを否定する。医療知識も無い僕が『こんな病気見た事がない』なんてなんの説得力も無いが、死体には共通点がある。必ず多数の臓器が腐っている事と、体内に無数のハエの死骸が入っている事。僕はウイルスなんかではなく、このハエが何かしらの原因を持っていると見る。
どちらにせよ人間に害があるのなら早々に駆除、対策して欲しい所だ。何か大事が起きる前に……。僕の死因がハエなんてあんまりだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます