復讐転生

病深 ねる

第1話 悪夢と罪


重い瞼を開けて、固まった体を起こす。目を開けて広がっていたのは明らかに昼の街中であった。

ここは一体何処だ?

「………は……よ」

「あれ何か聞こえる」

そう言いながら嫌に鮮明な背景の中、疑問も抱かす声のする方へと歩きだす。

 それは傍から見れば重い足取りだっただろう。分かっていながらも、怖れながらも、それでもゆっくりと進んでいく。


すると、俺にとって最も仲の良いと思っていた男がいた。見るからに鬼気迫っている様子の彼と1人の明らかによく知った男がいた。


「何でおまえの唯一の拠り所としていた猫を殺した?大切じゃなかったのか?何時も写真とか見せてくれてたじゃないか。」


あ………


「拠り所?大切??意味のわからない言葉の羅列だね。僕自身が殺しに関して興味があったじゃあダメなのかな?恐らく君には理解出来ないと思うよ。情緒豊かな君じゃあね。いつも僕は羨ましく思っていたんだよ。君は僕にはないものを持っている。恐れ多いよ。本当に。」

そんな事全く思っていないと言うような、悪びれた風もなく寧ろ彼は「何故こんなことで?」と不満気な様子であり、それが影響してか否か男の怒りは加速していく。


ああ……


「俺が……「ただ、君の偽善っぷりには嫌気が差してきた頃なんだ。」っ?!」

 男の言おうとしていた事を遮り、彼は言う。礼儀正しく人に対して礼節を尽くす性格である彼が口を挟んだ。それが何を意味するか。


ーーー怒りーーー

僕が初めて見た彼の感情だった。


あああ………

もう少しで彼が去る。咄嗟に何か言おうとしたのだが、何を言えば、そしてどうすれば正解だったのか分からない。

解決しても先があったのかどうかも分からない。

これは悔やんでも悔やみきれない俺の罪だ。

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