凧揚げ

荼八 十吾

第1話

私が私の方をみているものですから、堪らず作ったような笑顔で手を振り返しました。


歩み寄って来る私に、私は半歩の半分も無いくらいに後退りをしてから呼吸を整えました。


どうですか、元気にしていますか。


ここで首を振ることの出来ない私は何方にせよなり損なってしまっているのです。日が差し込んで琥珀色の水晶がこちらをまじまじと視るのが耐えられない私は、呼吸をすることを忘れていた様で、ぶはっと大きな音を吐き出し一言、こんな大人になってはいけないよ。とだけ伝え、私はそのまま灯台の方に歩いてゆくのでした。


相対的に見ても高い位置に凧が上がっているのをみると、随分上手くなったものだと感心してしまい

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凧揚げ 荼八 十吾 @toya_jugo

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