第44話 村の指導者


狼の襲撃から難を逃れたその夜、村では宴が催された。


狼の撃退とアレクが明日、この村を出立するとのことで、宴は村人の好意によるものである。




アレクが村に来てから警戒心を強めていた村人も今では、すっかり打ち解けている。


ここまで打ち解けることができたのは偶然だとアレクは思っている。




ふと、レインが話かけてきた。


「アレクさん、村長から話があるとのことなので、こちらに来て欲しいとのことですよ」




簡単な挨拶程度だと思ったアレクは村長の部屋に入室した。




部屋の中には村長、そして、レインとソニアが待っていた。




「アレク殿、単刀直入に申し上げる。」


「アレク殿にはこの村の指導者並びに、次期村長としてこの村に残ってもらえんじゃろうか」




「ちょっと待ってください・・・」


アレクが続けて言葉を話そうとしても、村長が遮る。


「アレク殿が承諾してもらえれば、レインとソニアのどちらかと結婚しても構わんのじゃ」




唐突の話にアレクは困惑していたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る