第2話
時間が経っても、一度習慣化してしまった、行為をなかなか払拭することはできずに、今日も今日とて、幼なじみの部屋を覗いた。
彼女はまだ、幼なじみの部屋にいた。あれからもう、三日も経過したというのに、彼女は幼なじみの部屋に居座り続けている。
彼女は一体何者なのだろうか? 僕は想像を巡らせた。幼なじみの親戚というのが、有力説であるが、流石に三日間も部屋に居座る意味がわからない。
もしかしたら、彼女は幼なじみの家に立て篭もる、犯罪者なのではないのだろうか? いや違う、この前の朝、僕は外に出る幼なじみの母親の姿を見たのだから、その予想は間違えだ。
じゃあ、幽霊か? 僕の頭はそこまでファンシーではない、僕は非科学的なことに傾倒しない人種であると胸を張って言える。こんなことを考えつく以上、僕は心身共に満身創痍なのだろう。
しかし、彼女の正体は謎に包まれていた。まぁ、答えは得てしてつまらない物である。やはり、幼なじみの親戚か何かが、何らかの理由で部屋を間借りしている、というのがこの謎の相場だ。
それ以降はプライバシーにも関わるので、彼女の聡明で淡麗な顔つきに免じて追求はよしておこう。
僕は幼なじみから貰った、キャラクターもののキーホルダーを見つめて、そう思った。
このキーホルダーはいつも肌身離さず持っている。
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