恋のライバル登場?!

・大きな月の浮かぶ夜だった。恵実とセキは吸血鬼の少女明麗メィ・リーと出会う。この世界では昼行性の人間と夜行性の吸血鬼が共存していた。吸血鬼は神様見習いやフロイデといった『人ならざるモノ』の姿を認識できる。メィはセキの姿に一目惚れしその首筋を噛んでしまう。


メィ「わたくし疲れてしまいましたわ。セキ様抱っこ~♡」

セキ「くっ…身体が、勝手に…?!」

メィ「もうあなたはわたくしの眷属です!誓いのキスをしてくださいな♡」

セキ「…誰がするかァ…オレの身体をもてあそびやがって…!」

メィ「なんてご意思の強いこと。主であるわたくしの暗示が効かないなんて!ふふ、流石わたくしの見込んだ殿方ですわ」

恵実「メィ!セキを返して!」



・恵実の叫びもむなしくメィをお姫様抱っこしたセキは月に向かって飛翔する。恵実は変身し屋根を伝ってセキの後を追う。ところが追いつく直前でメィの命令によりセキとのパスが途切れ、変身の解けた恵実は真っ逆さまに落ちていく。


「「みんなを癒す!ハートフル・エンジェル!」」



・間一髪恵実の元へたどり着いたシャルのおかげで恵実は変身し再びセキを追うが撒かれてしまった。


メィ「わたくしの大勝利ですわ~!おほほほほ!」



🌸



・メィの自宅は本物のお城のような豪邸だった。到着してすぐエントランスホールにあるピアノでクラシック曲を披露するメィ。その心地よい音色にセキは眠りこけてしまった。メィは落胆したものの起こさないようセキの頬に口づけする。


メィ「今夜は寝かせてあげましょう。だって時間はたっぷりありますもの…♡」



・日が昇ると同時にメィは自室のベッドに入った。太陽の光がロビーに差しこむ。穏やかな朝の空気を乱すように強風が吹き荒れ、玄関の扉を突破したそれがセキのいるエントランスホールに押し寄せた。


無「計画を邪魔する者…ワタシが、倒す」



・無の女神はセキに向かってフロイデを浴びせる。セキを庇うべく飛び起きたメィは無の女神を外庭へと誘い出した。ところが日の光のせいでメィは持ち前の身体能力を発揮できない。メィはフロイデに捕まりその心を侵食されそうになる。


セキ「クソが…ッ、恵実…!」



・セキは魔法で空から雷を落とし恵実とシャルに居場所を伝える。昨日の今日で恵実の身体は満身創痍であった。それでも恵実は戦い、メィとメィを拘束するフロイデを切り離す。


メィ「どうしてわたくしを助けましたの?!だって、わたくしは恵実にひどい事を」

恵実「あたしは神様からこの力をもらったんだ。自分の都合で力を使う人、使わない人を選ぶのはダメだよ。みんなを守ることがあたしの役目だから」



・恵実の言葉にメィは改心し二人で力を合わせてフロイデを倒す。メィはセキの暗示を解き、恵実を恋のライバルとして認めるようになる。


メィ「お礼は申し上げませんわ。恵実、勝負でしてよ!次に射止めるのはセキ様の御心ですわ!」

恵実「あ、あたしだって負けないんだから!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る