ギルドの失敗(リリーナ視点)
メアリがギルドを追い出された。
正直いい気味だった。
彼女は魔法使いでありながら、魔法が下手だった。
ギルド内でも、「メアリは落ちこぼれ魔法使いだ」と常に馬鹿にされていた。
「これで我がギルドも安泰だな!」
「はい、リーダー。私も精進しますね。」
「あぁ、リリーナさえ居てくれればいい。
キミは魔法に優れているからな。」
皆、私を褒めてくれる。
「ふふっ、お褒めいただき光栄です。」
なんていい気分。
メアリが居なくなったおかげで、以前より私に注目があつまる。
「では早速ダンジョンに向かうぞ!」
「はい!」
私は優れている。そう思っていたのに。
「クソ!どうしてモンスターが倒せないんだ…!?」
「リリーナ!早く回復魔法を!!」
「は、はい…!」
ダンジョンに向かうと、何故か今まで倒せていたはずのモンスターが倒せない。
私の魔法も、調子がいつもより悪い。
こんなことは初めてだった。
「(どうして…!?)」
「リリーナ!防御魔法を!」
「リリーナ!!」
「ッ…お待ちください!!」
私は思わず大きな声を出してしまった。
ハッと我に返ると、ギルドメンバーが私を見ていた。
「も、申し訳ありません…少し混乱してしまって…」
「皆、リリーナをあまり困らせるな。」
「リーダー!す、すみません…」
「今日は引き返そう。」
「はい……」
私達はダンジョンから引き返した。
「……」
ギルドは万全の調子で挑んだはず。
何が足りないの…?
「……まさか…」
いや、そんなわけない。
あの落ちこぼれメアリのおかげなはずがない。
「リリーナ、怪我はないか?」
「あっ…は、はい…お役に立てなくてごめんなさい…」
「いや、今日は全員調子が悪かった。
キミだけが気を病む必要はない。」
そうよね、私のせいじゃないわ。
私達はギルドハウスへと戻った。
続く
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