「わかっている」と「わからない」
「私はあなたをわかっている」の言葉が
有刺鉄線のように私の心を苛んで縛り付ける
共感のような耳障りのいい優しさを
素直に受け止めきれないこの身が悪いのか
「わかってくれる人がいてあなたは幸せね」
──本当に?
「わかっている」ということは もうこれ以上はわかろうとする努力を放棄することとは違うのか
わからない
「わからない」ことが悪だとでもいうように
今日もまた私は与えられるのだ
「私はあなたをわかっている」という言葉を──
〈後書き〉
我ながら性格が悪いと思います。だけど、「わかっている」と言いながら押し付けられる相手の価値観に、すごく息苦しさを感じてしまいます。
「こんなに波長が合う人に初めて会った」と言われて困惑しました。そもそもみんな波長が違うわけで、何一つ同じ人なんていません。それでも相手に歩み寄ろうとするから、波長が近づくのではないでしょうか。「あなたのことをわかっている」というのは、言った本人は相手をわかろうとする努力をそこでやめてしまうから、相手に自分に合わせろと強要するように思えて仕方ありません。本当にわかっているのなら、そう言いながらも相手が嫌がることをするのはどうしてなのでしょうか。
「あなたをわかっている」という言葉は、実は怖い言葉なのではないか、そんなことを最近考えます……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます