主人公と勇者パーティ
1話 クエスト開始前
ルビアとノアとパーティメンバーになることが決まったため、ギルドで受付嬢に手続きを行ってもらう。
「クリスさん…。あなたすごいですね…。預言者と精霊使いのパーティだけでも異常だったのに更に上級職業の聖騎士と白魔導士の2人が加わるなんて…」
「あはは…。俺がすごいわけではなくて他の3人がすごいだけですよ」
「これは忠告です。パーティが嫌になったら抜けてくださいね。皆さんが上級職業でクリスさんだけ底辺職業だと荷物持ちなどになる可能性もあります。それだと冒険者であって冒険者ではないと考える人もたくさんいると思います。なのでもし嫌になったら抜けてまた私のところまできて下さい。パーティのあっせんならしますので」
「…。ありがとうございます」
まだ闘技大会の結果を知らないのかな? 一応はベスト8まで残ったのだからそれなりの実力があると考えられてもいいはずなのだが…。まあ普通底辺職業が闘技大会ベスト8なんて結果になるはずがない。だから聞いていなかったんだと思うけど。
そしてパーティの申請を完了してみんなのところに行く。
「クリスまた底辺職業って言われてたね。パーティを抜けたくなったら言ってだっけ?」
「え、あ~そう言われたかな?」
なんで聞こえている? 結構みんなと距離が離れていたはずだぞ? だから今エルミナが言ったことを聞いてノアとルビアも驚いていた。
「それでクリスは抜けるの?」
「いや、抜けないよ。それに抜ける時は言ってくださいって受付嬢に言われただけだからさ。ただ単に心配されていただけだよ」
「なんで?」
「それは当たり前でしょ。普通は上級職業3人に対して底辺職業1人のパーティって異常だからね」
「ふーん。普通はでしょ? クリスははっきり言って普通じゃないから大丈夫よ!」
普通じゃないって…。ちょっとそう言われるとショックなんだけど。まあ実力的には底辺職業と思われないほどの力は持っていると思う。だけど普通じゃないは酷くないか? 俺だって普通の男子だぞ!
「あはは…」
「クリスさんは強いので大丈夫ですよ! 絶対に私がこのパーティの中で一番足手まといだと思います。だからクリスさんが抜ける前に私が挫折してしまうと思います」
「まあはっきり言ってこのパーティってクリスが作ったパーティじゃん? お前が抜けたら実質的にこのパーティの解散ってことだよ。だからパーティリーダーさん頑張れよ!」
「そうそう! まずパーティって実力で決めるものじゃないでしょ? この人と組みたいって思ったから
組むと思うのよね」
「それは違うと思う。最初だったらそれでいいと思うけど、徐々にランクに上がったら実力も見つつ仲間を探すと思う。俺は今Cランクだから本当はBランクとかのパーティに入ってもよかった。でもみんなの実力を見る限り絶対にAランクまではいけると思ったから選んだんだ。俺みたいに実力も見て選ぶ人もいるってこと」
「ふーん。じゃあもし誰かしら1人が実力不足になったらパーティを抜けさせるってこと?」
エルミナの意見はもっともだと思った。最初は実力が共わなくてもいい。だけど徐々にみんなと実力は離れていくと思う。そうしたときの対処は抜けさせるしかないのかなって思う。
「多分だけどそいつ本人から抜けてくれると思うぜ」
「なんで?」
「考えてみろよ。自分が足手まといになっていてパーティメンバーが迷惑をしている。その時お前はどう思う? 俺は抜けたい思うけどな」
「そ、そうね…」
そうか…。でもそうなるのは嫌だな…。もしこのメンバーの誰かが抜けるとしたら俺は考えるだろう。だって今のメンバーがいいと思ったからパーティを組んだんだ。だから…。
そんなことを考えるのはもっと先でいいだろう。今はパーティになったばかりなのだからもっと気楽に楽しくいきたい。
「まあそんなことは今は良いじゃん。今は目の前のことを考えよう。今俺とルビアがDランク未満だからDランクを最初に目指すってことでいいか?」
「うん!」
「はい!」
「おう」
「ルビアがFランクだからEランクのクエストまでしか受けられない。だから一気にクエストを受けようと思う」
「一気にって言っても何を受けるんだよ」
それには案があった。俺が冒険者になった時、ノエルがアドバイスをくれた。だからそのクエストを受けたらすぐ上がれると思う。
「ゴブリン、コボルト、アンデット退治をしようと思う。ゴブリンとコボルトは午前中に終わらせて日没付近でアンデット退治をしようと思っているけどどうかな?」
「いいよ! じゃあ早速森に行こっか!」
「あぁ」
クエストをみんなで受けて森に向かうことにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます