6話 エルミナ視点4
クリスと一緒のご飯に行くだけなのに、こんな楽しみに感じるなんて...。ドレスを着たのなんて久々だな~。クリスはなんて言ってくれるかな? 楽しみすぎちゃってエリーオにも15分前に着いちゃった。
(褒めてくれるといいな...。かわいいって言ってくれるかな?)
集合時間ギリギリでクリスが来た。
(尋常じゃない速さで来たけど大丈夫?)
「かわいい...」
え? 今なんて言ってくれた? かわいいって言ってくれなかった?
「遅れた。ごめん」
「いいよ。じゃあ入ろ!」
「うん。それにしてもすごい服だね。高そう...」
「それだけ?」
さっき言ってくれたのが聞き間違えだったら私一人で舞い上がっているだけじゃん! そんなの嫌! だったら恥ずかしいけど聞きたい...。クリスの本心が聞きたい。もっと私を見てほしい気がする...。
「似合っていると思う。かわいいし」
「あ、ありがとぅ」
聞き間違えじゃなかった。よかった...嬉しいな。この言葉が聞けただけでオシャレしてきた甲斐があった! レストランに入ってまず私の進捗状況から説明を始めた。
「まず私からね。昨日Ⅾランクになりました!」
「え? 早くない! おめでとう!」
この言葉を言ってもらうために頑張ったんだもん! 私が安直に言ったせいでこうなってしまった。別に悪いことをしたと思っているわけじゃない。あの時言わなかったらルビアが仲間になれなかったかもしれない。でも私が言ったせいで私以上の負担をクリスがしている。だから私のことを心配しないぐらいの結果は出しておきたかった。
私の進捗状況は報告したし、クリスの状況も知りたいな。加護はもらえたのかな? 別に加護されていなくてもいいと思っている。だってクリスは今でも強いし、私のせいでこんな負担のさせているのに責められないよ...。それよりもお礼を言いたいよ。私のわがままのせいでごめんなさい。頑張ってくれてありがとうって言いたい。
「そっちは加護をもらえたの?」
「もらえたよ」
「どんな加護?」
「それは実際に見せるよ。エリーオを出たら少し広場に行こうか」
「うん」
クリスがおいしそうに食べてくれてよかった。そのために時間を使って調べて誘ったんだもん。本当に喜んでくれてよかった。オージラの大広場に行き尋ねる。
「それでどんな魔法を見せてくれるの?」
「まず俺に攻撃魔法を撃ってよ」
「え? 正気?」
「うん。頼む」
「...。怪我しても知らないからね」
最初は本気で言っているのかわからなかったけど、クリスの目を見て本気だとわかった。
(クリスが言っているんだし大丈夫だよね?)
私はそう思い魔法を撃つ。すると竜巻が一瞬で消えてしまった。どういうことなの? 何の魔法? 私がそう思っているとクリスが魔法無効化っていう魔法だと教えてくれた。
(そんなの卑怯じゃない! 本当に底辺職業じゃなくてチート職業だわ)
それだけじゃなかった。2つ目はエクストラヒールって魔法で、さっき私にかけてきてあまり動けなくなったのが治ったのと、私の怪我を治った。え? どういう意味? なんでこんなに
「え? なにをしたの? 体が軽くなったんだけど?」
「エクストラヒールって魔法で状態異常回復と少しの回復があるらしい」
「状態異常回復はわかったわ。少しの回復ってレベルかな? 昨日怪我したところが治っているのだけど?」
「え?」
「なんでそんな無茶な行動したんだよ!」
「ごめんなさい。でもいち早くⅮランクに上がりたくて...」
「今度からは無茶しないでよね。心配するんだから」
「うん。そう言うところ...」
クリスからしたら普通なのかもだけど、私にとっては嬉しかった。そんなところが好き。多分クリスがそう言う初めての存在だからだと思う。
(もしかしてわたしは友達として好きじゃないの?)
「なんて言った?」
「何でもない! また明日ね! おやすみ」
「あぁ。おやすみ」
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