1話 アメリア視点

 私には幼馴染がいる。いつ見てもかっこよくて頼りになる幼馴染。15歳になった時、幼馴染---クリスと一緒に神殿に行って職業を聞く。




(私が回復職。クリスが前衛職で冒険者になって約束しているの! 神様お願い!)




 私は神に願った。クリスと冒険がしたい。クリスともっといろいろなことがしたい。




 そして私の番が来た。クリスは笑顔で私を見送ってくれた。神官様に聖女と言われた。私が聖女? やった! これでクリスと一緒に冒険ができる! そう思い、クリスのお告げを聞く。




「クリスさん。あなたは預言者です」




 え? 何それ? どんな職業なの? 私がそう思っていたらクリスも思っていたらしく神官に聞いている。神と対話する? 何それ? 




 私が疑問に思っていたら周りから声が聞こえる。




「あいつ底辺職業だってよ」




「ほんとだ。可哀想に。俺はなりたくないわ」




「なー」




 底辺職業...。そこで考える。聖女になった私は多分危険な場所に行くだろう。そんな時クリスがいたら? クリスが死んじゃったら? そう思った。だから...。




「それは無理。だって預言者って戦闘職じゃないし、一緒に冒険はできないよ? もうちょっと現実考えよ。これからは一緒には居られないけど、頑張ろうね」




 だから私は少し強く言った。これでクリスが冒険者を諦めてくれたら...。私が嫌われるだけでクリスの危険がなくなるなら...。




 私がクリスのもとから立ち去るとき、クリスの顔は泣きそうだった。




(ごめんね。でもクリスじゃ無理だよ...)




 次の日。勇者と名乗る男性にパーティの誘いを受けた。クリスがいないならどこでもいいと思っていた私は了承した。すると勇者がクリスについて質問してきた。




 もし一緒のパーティになったら。そう思ったらゾッとしてしまった。そのため勇者にはクリスのことをけなしていった。




 そして数日が立ったある日。クリスは冒険者ギルドにいた。それも他の女性と! 




(なんでここにいるの? なんで冒険者になっているの? それよりもその女性は誰?)




 私がクリスに話しかける。いつもなら普通に話せるのに今日はなぜか嫌味を言ってしまう。するとクリスの近くにいた女性が話に入ってくる。




 なんなの! 私は久々に会ったクリスと話しているの! 邪魔しないで! そう思った私はこの女性に強く話してしまう。するとその女性はクリスを守るように言う。




(私だってクリスのことを心配して言っているの。私を悪者のように言わないで!)




 その女性と討論をしていると勇者様がその女性をパーティに誘う。




 は? 何考えているの? そして口に出てしまう。その女性と一緒のパーティになるならこのパーティを抜けるって。でも嘘偽りはない。この女性と一緒のパーティになっても仲良くはできない。誘いは蹴ってくれて助かったけど..。それにしても私に相談してもいいじゃない!




 私と勇者様がギルドからでるまでクリスはずっと私を見なかった。なんで? 私そんなに嫌われることした? 少し嫌味を言ってしまったけど、それはクリスのため。クリスならわかってくれるよね...。

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