第152話  国共内戦

中国の中枢組織である[中華民国]は

かつての清王朝へのカウンターとして誕生

した民主主義国家です


しかし結成以来、民主的な手段で

リーダーを選んだ事は1度もなく

結成時の指導者に近い一部の人たちが

中華民国を牽引してきました


これは中華民国に途中で合流した

[共産党軍]も同じで、やはり一部の

指導者に牽引された組織です




けっきょくの所、民主主義の看板を

掲げたものの中味はどこも戦国大名

なのが中国勢力の実態でした


これら戦国大名たちは日本という

共通のエネミーがいた事でひとつにまとまれて

いたのですが、日本降伏と日本軍の

撤退を受けて状況が一変します


空白地になった都市を誰が手に入れる

かで戦いを始めたのです(国共内戦)




───




この戦いは指導者の力量が勝敗を

分けました



中華民国のリーダーは[言う事聞かない奴は

武力でねじ伏せる]という戦国武将脳

全開タイプでした

そのせいで味方に足を掬われる事も

何度かありましたが軍事センスも高かった

ので溢れる怒りを素直にぶつけて

日本軍と真っ正面から激突していました


いっぽう共産党軍のリーダーはきちんと

政治家脳なタイプです

日本敗戦後の未来を見据えていました

一時期から日本との戦闘を中華民国

軍に任せて戦力を温存し、戦後の領地

経営の地盤を固めたりロシアから武器供与

を受ける約束を取り付けていました




そして日本の敗戦、撤退が始まった途端

共産党軍が中華民国軍に背後から

襲いかかったのです




中華民国軍は常に最前線に身を

置いてきた歴然の猛者でしたが

戦い始めてからすでに30年にもなる

長い時間の中で経営を下支えする

勢力基盤が衰えていました


支持基盤を固める政治も行っていた

共産党軍は徐々に中華民国軍を圧倒して

いき、中華民国軍は後退していきました




こうして中華民国軍は中国大陸を追われ

最後に残った[台湾]に渡って抵抗を

続けます

そして大陸全土を掌握した共産党軍は

[中華人民共和国]を建国します




中華人民共和国

( `∀´)ウチが中国代表だ!この顔は頂いた!



台湾(中華民国)

(; ³ω³ )はっ! 顔がっ!




戦闘行為は沈静化しましたが

この戦争は今も終わっておらず

[中台問題]として禍根を残しています




───




この新しい中国は共産主義国に属し

ますが元から商売好きな国民性から

自由主義経済を全否定するものでは

なく、ある程度の経済格差を容認した

共産主義国となります


さらに4千年もの間王国をやっていた

中国には民主主義制度が馴染まず、

王制は廃止されましたが元老院(共産党)

が支配する寡頭政治体制になります


ざっくり言うと


[貧富の差のある共産主義政策をとる

中華式共和政ローマ帝国]


なんともカオスな感じに落ち着きました




しかし悪い事ばかりではありません

[専制政治]には民主政治には無い

決定の速さと意思統一の強さがあります

これは疲弊しまくった中国の復興には

必要な力でした


民衆に負担を強いる形は残ってしまった

ものの、中国は強い指導力で

めきめきと国力を回復していきます

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