ダブルジョーカー
crow88
プロローグ
2088年 某月某日 世界各地で特殊能力に目覚める事例が発生した。
しかし、検体となりうる事例の数は少なく各国は秘密裏に調査と研究を進めていた。
2098年 某月某日 日本はかの連盟国からの独立を果たした。
しかし、日本の統治は2018年現在とは全く異なる異質な時代に突入し始めた。
大きく変わった点は2つ—
まず一つ、特殊能力を持った不特定少数の人間の出現、しかしこの事を知るのは政府の上層部やその他一部の人間だけである。
ただ、能力者が力を使えば、異変に気付く者も現れる、ネットの掲示板等では能力者に対する噂が急速に広まりつつあった。
特殊能力を持った人間はーと呼ばれている
そして二つ目、日本独立にあたり国主体の自衛軍では、自国の防衛がこんなんな状況に陥ったため、傭兵事業が個人や民間企業にも許可された。
以下の文は独立と同時に新しく可決された法律である。
・日本国の審査において認可証を取得した者に限り武装および緊急時の交戦を許可する。
・認可された者はどんな理由があっても日本国を貶めるような行為をしてはならない。
・認可された者は緊急時以外での他国または一般市民への危害を加えた場合、認可証の永久剥奪あるいは状況に応じて即時死刑とする。
・認可証の未所有者は武装および自己の力の行使をしてはならない、もしも武装の発見、あるいは交戦の意思がある場合、日本国へのテロ行為とみなし即時死刑とする。
このような法律が可決された当初は批判や抗議が相次いだ。
約10年の月日は、人々を新時代の流れに乗せるのには充分であった。
日本社会の表面では大多数の人間が能力者について何も知らずこの法案の最後の文、「自己の力を行使してはならない」を深く考える者はいない。
—能力者の情報は少ない。
それは世界各国、日本国だけではない、個人もまた同じである。
突如として能力が発現した者はその使い方もわからず、国へ連行され研究対象として扱われるか最悪の場合その場で殺害される。
彼らにとって地獄のような時代はさらに先へ進む。
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