TRPG畑出身のリアリティー論
本編執筆中の息抜きで記述
「リアリティー」についての持論です。
前提として創作である以上リアルではありません。
架空の世界を舞台とした場合、その世界にリアリティーが無いと、その世界の魅力が薄れてしまいます。
リアルとリアリティーの違いを理解する事が第一かと。
で、リアリティーですがよりリアルに近いかどうか?という訳ではありません。
リアルにより近い方がリアリティーがある。
という視点ですと、TRPGにおいて無チートで門番プレイ。とか創作で「面白くない」モノになってしまいます。
リアリティーを追求するという事は、リアルに近づける事ではなく……
「納得」出来るかどうか?です。
TRPGではGMが提供した設定にプレイヤーが納得出来るかどうか?ですが……
テーブルトークではプレイ時以外でも、作り手(GM)とプレイヤーで、世界設定等の情報交換が出来ますし、情報交換を元にどんなシステムでどんな世界設定でプレイするかを決めます。
ですので、TRPGにおいてはプレイする段階で、すでに作り手(GM)と受け手(プレイヤー)の間で、世界設定とシステムにつあての合意が出てきている。
つまり作り手と受け手の間に「納得」がある事が前提となっています。
そして、その「納得」が有るがゆえにシステムと世界設定に対しては「リアリティー」があるという状態からのスタートとなるのです。
(勿論シナリオのリアリティーは別です)
一方、「小説」という表現方法の場合
(二次作品以外では)作り手(作者)から読み手へ、小説の本文以外の情報提供が無い状態からのスタートのため、小説の本文の中で世界設定とシステムを伝える必要があります。
小説の中で世界設定やシステムを説明する描写が続けば、作品として面白く無くなります(カロリーが高い文章になるため)。
一方、描写が少ない事で「納得」が起こらない場合ですと「リアリティーが無い」と読み手に受け止められてしまいます。
話をより「面白く」伝えるために、情報を出しきらない場合もあると思います。
(カロリーを考えたり、後に説明した方が面白くなると判断した場合など)
このあたりの匙加減は、TRPG畑出身の私が小説を書く上で意識を払っている点です。
「小説を書く」スキルが現時点ではまだ低い事から、上手く出来ていない事もあるかと思います。これは読み手に判断を委ねます。
「納得」がリアリティーである。という事は言葉を変えると
読み手(受け手)に
作品中、謎などで「なぜ?」という疑問を、読み手に持たせた場合でも、その「なぜ?」が疑問から否定となり、リアリティーが無い。という認識をされる事もあります。
読み手に「なぜ?」と考えさせる事は、リスクがある。と認識しておいた方がいいと思います。
「なぜ?」という問いかけは
「理由を知りたい」という動機以外に
疑問の形をとった「否定」でもある。
という事です。
で、この「なぜ?」という問いかけですが……
創作に関してだけでなく、日常においても否定の意図を持った「何故?」を出すとストレスが高くなります。
「なぜ?」という問いかけが生じた時に理由を知りたいのか、否定したいのかを認識して、否定の意図を減らす事で、ストレスを低下させる事が出来ます。
創作論に戻りますが、結論として
リアリティーとは「納得」である。
そして、その「納得」をさせる為には、受け手(読み手)に「否定の意図」を持った「なぜ?」を(出来る限り)起こさせない事が大切。
小説の形で読み手を面白く「納得」させるには、小説を書くスキルが必要。
リアリティーのある世界設定を創るスキルと、リアリティーのある世界設定を小説の形で表現出来るかは別のスキルである。
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