関われば終わりの悪役令嬢に、何故か押しが寄ってくる件
アイララ
悪役を演じているのに仲がいい
私、ファズラニル・ゼルトランテには好きな人がいる。スピルティア国の第三王子、スピルティア・サフィル様だ。
スピルティア・サフィルという国の名前が付いた王の名前。もう名前からしてカッコイイ王子。
そんな王子と私は、同じ学園の同級生。王子との仲は悪くないし、私は令嬢だから家も申し分ない。
つまり、ある一つの問題さえなければ、私と王子は結ばれる運命。
だからこそ、絶対に結ばれる事は無い。私が吸血鬼でいる限り、永遠に。
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『ゼルトランテ、今日の服は珍しいね。トラジンかい?よく似合ってるよ』
「そうですが何か?王子様には関係ありませんわ。」そう返事をしてるけど、内心は嬉しさで満杯
だって王子様、いつも私の服とか靴とか気づいてくれるし。
それに吸血鬼だとバレない為に、人を遠ざけようとキツイ返事しかしてないのに優しいし。
だからこそ、私はこの学園という舞台の悪役である令嬢を演じている。
もし私が彼と付き合いでもして、そして私の正体がバレたら二人纏めて処刑されるから。
『それもそうだね。ところで今度、パーティーを開こうと思っているんだ。君も来るかい?』
パーティー?パーティー!?もしかしてダンスとか踊る!?金髪イケメンの顔が間近で見れる!?
すらっとした高身長の身体を堪能しながらダンス踊れるの!?
……落ち着け私、そもそも彼と近づいて正体がバレたらどうするのよ。
令嬢としてパーティーには参加するけど、それで終わり。私は吸血鬼、幸せは望めないのよ。
「とりあえず参加はするわ。でも踊る気分ではないの、ダンスはなしよ。」
『了解。それじゃあ今度の日曜日、テュアルンの錬金術のお店でね。』「はいはい。」
テュアルンのお店ねえ……!?ちょっとそれマズいわよね!?
テュアルンは一応いい子だし、その子の店でパーティーを開くのは問題ないわ。
でも、彼女は私が吸血鬼という秘密を知っているわ。
おまけに彼女は人と話すと止まらないし、そんな子の店でパーティーだなんて……。
とにかく、パーティー開く前に彼女と会って、絶対!!!に私の事を喋らない様にと伝えなきゃ。
全く、まだ学園の授業が始まる前なのよ。それなのにパーティーの事で心配し過ぎて、こんなに疲れるなんて。
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