伝統派空手の徒が今このときの空手を語る!

沖縄空手三大流派のひとつにして空手護身術の四代流派のひとつである剛柔流。それを15年学び、指導員をも務めた著者さんが、空手にまつわる小さな疑問や謎へアンサーする!

というわけで、空手がテーマのエッセイ調な日常の謎(?)ですね。空手の発祥はどこか? から始まり、その内容は章が進むごとに深部へ踏み入っていきます。

その中のひとつを例に挙げれば、「空手はキックボクシングより弱いのか?」。ポイントはまさに、ずばりと答えているのが近代格闘技をも経験している伝統派空手の遣い手である点ですね。ふたつのものを正しく比べるためには当然、どちらも知っている必要があります。ですから、それをきちんと踏まえた上で「一対一ならどちらが強いか?」を語る本作には大きな意義がありますし、空手という“道”を語ることに逃げ込まない論の潔さと強さに心打たれるのです。

――いつになく真面目に語ってしまいましたが、読み物としても考察用資料としても一読の価値ありありな一作ですー。


(「戦いか闘いか!?」4選/文=髙橋 剛)