第411話 魔王ルシフェル ~はじまりの存在へ

「聖巫女AOIよ!

お前が アポリュオンに敗れ 

流した巫女の血によって

我は 完全なる復活をなしえた!


そしてついに全世界の滅びの日が到来したのだ!


人間どもの 苦しみ悶え絶叫した断末魔の叫びは

実に 心地よい 音色であった」


「何という事を・・」

聖巫女AOIの傍らには

もうひとりの選ばれし存在

「勇者ラック」が降臨した


勇者ラックは 

魔王の圧倒的な威圧感に恐れを抱きつつ 

魂は聖なる怒りに燃え 決して怯む事はなかった


「お前が勇者ラックか?

貴様は、力ある者のようだな!

我が配下ベルゼブルを上回る力を感じるぞ!

もし貴様が 望めば この世界の半分をやっても良いのだぞ!

ハハハハハハ!!!!!!!」


勇者ラックは

激しく怒りに燃え

魔王ルシフェルに叫んだ!!


「やめろ!!!!!

お前は、私の大切な家族・・

多くの人々の命を奪い

神の創造物である この素晴らしい世界を滅ぼし 破壊したではないか!


もう この世界には

誰ひとり 生きてはいない・・・・


人間の為に 与えられた世界に

人がいなくなっては 

この世界の存在意義は失ってしまった・・


魔王ルシフェルよ!

お前は この世界を滅ぼし

神を信じず 地獄に落とされた 多くの魂に対して

更なる 苦しみを 与えに行くのか!


そうは させない!

お前は 聖巫女様が封印される!

これ以上 好き勝手にはさせません!!!」


「愚かな戯言を言うな!

この世界は全ては 終わったのだ!!

さぁ!全ての破滅の力によって 

完全なる滅びを受けよ!!!!!!」


魔王ルシフェルは内に秘めた

暗黒世界の 魔界術を用い 力を一気に解放した!


すると次元が歪み

2つの大陸が 瞬時に消滅した!



「私の力は 2000年前

初代巫女に 封印された時と 比較にならない!

我に勝てる者は 存在しない!!!


聖巫女AOIよ

お前は 神に次ぐ力を持っていようと

私を 決して倒す事はできないのだ!


さあ!お前達の命を奪い 

ハデスの呪いをかけてやる!!」


聖巫女AOIと勇者ラックは 

魔王ルシフェルの破壊圧に

決して 怯むことはなかった


「我らは、この世界を 救う為に 

この世に誕生した!

選ばれた存在なのだ!!


魔王ルシフェルよ! 覚悟せよ!

あなたを 永遠に封印する為に 

神より 授かりし真の力を

今こそ 見せてやろう!!


全世界に眠る 神具が7つ揃った今

創造の力をもって この世界を誕生させた

偉大な神の力を わたしはこの手に掴む事ができた!


私は決して負けない!


全地全能なる神の御名によって

我らは お前と戦おう!


神に背を向け 堕天使として地におとされ

暗黒の魔王に変貌した 堕落したルシフェルよ!


覚悟せよ!!!!

もう全ての終焉の時だ!!」


聖巫女AOIは

そう叫ぶと!


全身が太陽のように光輝き!

全世界を覆った!


生きとし 生ける者すべてが 神の作品!

始まりの世界に 導かれし

すべての神の民よ!


今 神に祈り

魔王をルシフェルを倒すべく

聖なる力を 私に注いでください!!


聖巫女AOIの声は

ワールドの世界全土に 響き渡った!


そして 天が開け

始まりの世界とリンクされ

おびただしい数の 祈りの聖なる手が

神の按手の祈りと重なり 聖巫女AOIに届いた!


「魔王ルシフェルよ!!!

時が来ました! あなたの時代は終焉となる

この世界と共に朽ち果て あなたを永遠に封印します!」


「くっ!何だ!!!!!

この聖なる力は!!!!!!


魔王ルシフェルは

苦しみ悶え 全身に宿る 魔の力が

聖なる力によって 浄化されていった!!


滅びよ!!!

起源の存在:神の御名によって!!」


聖巫女AOIの最後の祈りの言葉によって


魔王ルシフェルはついに 消滅した!!


そして やがてひとりの少女が

荒れ果てた大地に横たわっていた 

背中には天使の羽がついており

ひどく傷ついていた!


かつて 始まりの世界で

神の右の座についていた存在 

天使長ルシフェルへ!


■□■◆◇


「神である主はこう仰せられる

あなたは全きものの典型であった

知恵に満ち 美の極みであった 


あなたは神の園エデンにいて 

あらゆる宝石があなたをおおっていた

赤めのう トパーズ ダイヤモンド 緑柱石 しまめのう

碧玉 サファイヤ トルコ玉 エメラルド


あなたのタンバリンと笛とは金で作られ

これらはあなたが造られた日に整えられていた


わたしはあなたを油そそがれた守護者ケルブとともに

神の聖なる山に置いた あなたは火の石の間を歩いていた


あなたの行いは あなたが造られた日から

あなたに不正が見いだされるまでは 完全だった 


あなたの商いが繁盛すると 

あなたのうちに暴虐が満ち あなたは罪を犯した

そこで わたしはあなたを汚れたものとして

神の山から追い出し

守護者ケルブが火の石の間から

あなたを消えうせさせた


あなたの心は自分の美しさに高ぶり

その輝きのために自分の知恵を腐らせた

そこで わたしはあなたを地に投げ出し 

王たちの前に見せものとした

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