第410話 ハデスの苦しみ

~世の終わりの最終日~


魔王ルシファルが復活し

熾烈の波動によって

僅かに生き残った 全人口の約2割の者達が

一瞬の内に 灼熱の炎に包まれ 息絶えた


魔王ルシファルが下した 裁きを受けた者達は


神との対面の可能性が残された

陰府大陸サルディスに行くチャンスも得られず

即 地獄の世界に 魂が送られた!


「うわぁ~ 

助けてくれ!

助けてくれ!!

助けてくれ!!!

助けてくれ!!!!


死にたくない!

死にたくない!!

死にたくない!!!

死にたくない!!!!

死にたくないのだ!!!!


熱い 苦しい!!!


何という 苦しみなのだ・・


彼らの体は 耐えがたい激痛によって

発狂し 気が狂い 

血を吐くほどの 苦しみを受け


全身が 真っ黒に 焦げ付き

血が蒸発し 影が一瞬残る程

存在自体が 灰のように 生命力が失われ

消え去っていった・・・


そして 彼らの魂は

死んでもなお 

永遠に続く ハデスの炎の世界で


激しい渇きと 

全身から 血を吹き出す程の

苦しみの中の苦しみが

繰り返し 繰り返し 続いていく


そして決して

その苦しみから 逃れる事はできない


「喉が・・喉が 渇いた!

この渇きは 耐えがたい!!


誰が・・頼む!

私に 水を・・一滴でいい

水を・・水を・恵んでくれ・・・」


◆◇


ある金持ちがいた

いつも紫の衣や細布を着て

毎日ぜいたくに遊び暮らしていた


ところが その門前にラザロという 

全身おできの貧しい人が寝ていて

金持ちの食卓から落ちる物で腹を満たしたいと思っていた


犬もやって来ては 彼のおできをなめていた


さてこの貧しい人は死んで

御使いたちによって

アブラハムのふところに連れて行かれた 金持ちも死んで葬られた


その金持ちは ハデスで苦しみながら目を上げると

アブラハムが はるかかなたに見えた


しかも そのふところにラザロが見えた


彼は叫んで言った

『父アブラハムさま 私をあわれんでください

ラザロが指先を水に浸して私の舌を冷やすように

ラザロをよこしてください

私はこの炎の中で 苦しくてたまりません 』


アブラハムは言った

『子よ 思い出してみなさい!

おまえは生きている間 良い物を受け

ラザロは生きている間 悪い物を受けていました

しかし 今ここで彼は慰められ

おまえは苦しみもだえているのです』◇(Bible引用)



永遠の地獄の世界『ハデス』

この地に 落とされた者は

容赦ない 裁きを受ける!!


(誰もが この世界に 

行く事がないように・・・祈るばかりだ!!!)


まだ 遅くはない!!!

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