第409話 陰府大陸サルディス ~『魂の終着地』

~世の終わりの最終日~


額に印のある神に選ばれた者達は

苦しむことなく 

天国「始まりの世界」へ運ばれた!


しかし半数の人々は 心頑なにし

最後まで 神に心を開く事はなかった・・・


そして最後を 迎え・・・命を落とした


彼らは 悔いる思いに 

胸が押しつぶされながら

後悔し・・後悔し・・・後悔して 命を落としていった


「こんな 最期を迎えるのならば

12使徒達の言葉に・・

もっと耳を傾けておけば良かった・・」


彼らは これまでの人生を振り返り

自分達が 取り返しのつかない 過ちを犯してきた事に

ただただ・・後悔の念を

深く募らせるのであった


これから 彼らの魂は 

この世と あの世を結ぶ

陰府大陸サルディスに 向かう事になる!


「陰府の門」から先は 

死んだ魂か 行く定めにあり

神による『最後の裁き』がなされるのである!


『神の裁判』において

最後のメッセージが 届けられる!!



陰府大陸サルディスに

数多くの魂が 集まっていた

お互いが 個であり

認識し合う事ができなかった


この世の概念はなく

ただ魂だけが 存在する


「ひとりの個」ただそれだけである!


陰府大陸サルディスの中央には

無氷山が 複数点在しており 


冷たい川が永遠に続き

川底には地はなく 

暗黒の闇のみが 存在していた


神の裁きは

一瞬で終わるが


そこに辿りつくまでは 遠い道のりである


この長く 苦しい道のりは

これまでの人生を 振り返り

最後の裁きを受けるまでの

心の準備をする上で必要な

『魂の旅路』なのである


神の言葉を 受け止める準備がなされると

神と最後の対話が許される!


◆◇


「我が子よ!

わたしは あなたを愛している!

あながた 長く生きた人生の中で

何を第一に歩んできたか?」


「起源の存在:神よ!

愚かなしもべをお赦しください!

私は ひどく罪人でした

他者を顧みず・・・

心に愛が欠けていました・・・


神に反逆した人生を送ってきた 私を

どうか・・どうか・・・お赦しください!」


「私は あなたに

何度も 語り掛けた!

心に直接語り 友人や あなたが出会ってきた

多くの人々の中に私がおり

福音を伝えてきたのだ!


しかし あなたは 最後まで

傲慢であり 不遜な者であった・・


しかし 私はそんなあなたを

忘れた事は ないのだよ・・

あなたは 唯一無二の存在

大切な大切な 存在なのだから!」


「神様・・・・」


「あなたは 世の終わりの最後の日までに

わたしを 求めてくれる!と信じていたが

大波に飲み込まれ 一瞬の内に 命を落としてしまった


もう少し 時間があれば

あなたは 神を信じる事ができたと

わたしは 思っている!


さぁ!!!

私が あなたと対話するのは

これが最後である!


我が子よ!

あなたは 神を信じるか?」


「はい!神様

私は あなたを信じます!


生きている間に 

信じられなかった事をお赦しください!


しかし 最後に 信じる

チャンスを与えて下さった事を


心から・・心から

感謝致します!!!!!」


「我が子よ!

私は あなたを 愛している!


さぁ!陰府大陸サルディスの丘を越えよ!


遠く長い道のりだが

ひたすら歩き続けるのだ!


その先に

伝説の大陸「始まりの世界」が

あなたを 待っている!

そこが『魂の終着地』であるからだ!


さぁ!!

行くのだ!!!!!!!

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